クロスシミュレーションで布が貫通する原因は、ほぼスケール未適用です。まず Ctrl + A でスケールを適用してください。それでも直らなければ Quality Steps を上げ、Collision の Outer Thickness を下げる。この3手で大半は解決します。設定を闇雲に触る前に、この順番を守るのが最短です。
キャラに服を着せたら体を突き抜ける、布が不自然に膨らむ——クロスシミュレーションの失敗はパターンが決まっており、原因もほぼ限られています。この記事では基本の流れと、貫通したときの切り分け順を整理します。
基本の設定手順
平面をそのまま使うと折り目が作れません。10分割程度に細分化してから始めます。頂点が少ないと、どれだけ設定を詰めても布らしく動きません。
オブジェクトモードで布メッシュを選び、物理演算プロパティから Cloth を有効にします。
布が当たる相手(体・机など)には Collision を設定します。ここを忘れると布はすり抜けます。
Cloth の Collisions セクションを開き、Self Collision にチェックを入れます。布自身が重なったときの突き抜けを防ぎます。
貫通したらどこを疑う?
順番が重要です。上から順に試してください。
| 順 | 確認すること | 操作 |
|---|---|---|
| 1 | スケールが適用されているか | Ctrl + A →「スケール」 |
| 2 | Quality Steps が足りているか | 数値を上げる(計算は重くなる) |
| 3 | Collision Thickness が厚すぎないか | Outer Thickness を下げる(最小 0.001) |
| 4 | メッシュの分割が粗くないか | 細分化して頂点を増やす |
スケール未適用が最頻の原因
オブジェクトのスケールが 1.0 以外のままだと、物理演算は見た目と違う大きさで計算します。結果、コリジョンの判定距離が意図とずれて貫通します。クロスを設定する前に必ず Ctrl + A でスケールを適用する——これを習慣にするだけで、貫通トラブルの多くが起きなくなります。
布がオブジェクトから浮く場合は?
逆に「貫通しないが、体から不自然に浮く」という症状もあります。これはコリジョンの判定距離が厚すぎるのが原因です。
Collision モディファイアーの Outer Thickness を下げてください。最小の 0.001 まで下げると、布がぴったりフィットするようになります。ただし薄くするほど貫通しやすくなるため、Quality Steps とのバランスで詰めることになります。
膨らむ場合はPressureを疑う
布が風船のように膨らむなら、Cloth の Pressure が効いている可能性があります。意図せず有効になっていないか確認してください。バルーンのような表現をしたいとき以外は 0 のままで構いません。
計算が重くて試行錯誤できないときは
Quality Steps を上げるほど精度は上がりますが、計算時間も伸びます。実務的な進め方はこうです。
- まず低品質・粗いメッシュで動きを確認する——布の落ち方や引っかかりの有無だけを見ます。
- 動きが決まってから品質を上げる——最初から高品質で回すと、1回の試行に時間がかかりすぎます。
- ベイクしてから微調整する——確定した動きはベイクして固定し、以降は再計算させません。
シミュレーションはCPUの負荷が高い処理なので、レンダリングとは違うボトルネックが出ます。レンダリング高速化の設定とは別軸で考えてください。
まとめ
クロスシミュレーションの貫通は①スケール適用 → ②Quality Steps → ③Collision Thickness → ④メッシュ分割の順で潰します。ほとんどが①で解決するので、まずここを確認してください。
逆に浮く場合は Outer Thickness を 0.001 まで下げる。膨らむ場合は Pressure を確認する。症状ごとに触る場所が決まっているので、当てずっぽうで設定を触らないことが結果的に一番の近道です。

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