結論:2026年10月時点で重みが公開されている最新は、画像がFLUX.2(klein 4B・klein 9B・dev)、動画がWan 2.2です。最初の1本は、画像ならFLUX.2 [klein] 4B(公式の目安はVRAM約13GB・Apache 2.0で商用可)、動画ならWan 2.2 5B(ComfyUI公式は「ネイティブのオフロードでVRAM 8GBに収まる」)が入口です。当サイトのRTX 4070 Ti SUPER(VRAM 16GB)では、klein 4Bが1024×1024で最後まで動きました。Wan 2.5以降の重みは、Wan公式のGitHubとHugging Faceにありません(2026年10月9〜10日に確認)。
FLUXやWanを自分のPCで動かすときに詰まるのは、ほぼVRAMの容量とファイルの置き場所の2つです。この記事では、モデルごとの公式のVRAMの目安を出典つきで並べ、ComfyUI(ポータブル版)の導入から、FLUX・Wanのファイルをどのフォルダに置くかまでを、2026年10月時点の公式ドキュメントに合わせてまとめます。
ComfyUIの画面の使い方から押さえたい方は、ComfyUIの使い方完全入門もあわせてご覧ください。
この記事の数字の出どころ
VRAMの目安・ファイル名・置き場所は、Black Forest Labs・Wan(Alibaba)・ComfyUIの公式ドキュメントとモデルの配布ページを2026年10月6〜10日に確認した値です。当サイトが実機で測ったのは、RTX 4070 Ti SUPER(16GB)での画像生成の4モデル(Z-Image Turbo・LongCat-Image・Qwen-Image 2512〈GGUF Q4_K_M〉・FLUX.2 [klein] 4B)だけで、Wanの動画生成はこの記事では動かしていません。

ローカルで動かす利点と注意点は?
利点は、生成した枚数や秒数で料金が増えないことと、入力した画像や文章を外のサービスに送らずに済むことです。注意点は、最初にGPUの費用がかかることと、モデルの版によって必要なVRAMが数倍違うことです。
最初はVRAM 8GBのRTX 3060で環境を組んだのですが、Flux.1 Devモデルを動かそうとすると「CUDA out of memory」エラーで落ちまくりました。結局、RTX 4070 Ti Superに買い替える羽目に。最初から12GB以上にしておけば無駄な出費を防げたというのが痛感した教訓です。
- 枚数で料金が増えない:月額課金のクラウドサービスと違い、生成にかかるのは電気代です(目安は生成AI用PCの電気代)。
- 細かく指定できる:LoRAやControlNetを組み合わせて、構図や画風を指定できます。
- データを外に出さない:入力した画像や文章を外部のサービスに送らずに済みます。
- 公開された重みをすぐ試せる:ComfyUIはWan 2.1に公開の2日後(2025年2月27日)、Wan 2.2に公開当日(2025年7月28日)に標準で対応しました(各モデルの公式README)。
- 最初の費用:VRAM 16GBのRTX 5070 Tiを積んだBTOは、サイコムのカスタマイズの最安で381,230円(税込・送料別・2026年10月4日の公式)でした。
- ファイルの置き場所:モデル本体・テキストエンコーダ・VAEを決まったフォルダに置く必要があります(この記事の後半)。
- 電気代:GPUを長く回すほどかかります(下のよくある質問に計算の例)。
必要なVRAMはどれくらい?モデル別の公式の目安
同じFLUX・Wanでも、版(パラメータ数)と精度で必要なVRAMが数倍違います。下の表は各公式の目安とファイルの大きさで、使う道具や、VRAMに載り切らない分をメインメモリに逃がす「オフロード」の有無で変わります。
| モデル | 公式の目安・ファイルの大きさ | ライセンス |
|---|---|---|
| FLUX.2 [klein] 4B | VRAM約13GB(RTX 3090/4070以上)・本体7.75GB | Apache 2.0(商用可) |
| FLUX.2 [klein] 9B | VRAM約29GB(RTX 4090以上)・本体18.16GB | 非商用 |
| FLUX.2 [dev] | 32B(量子化して使うのが前提) | 非商用 |
| FLUX.1 [dev] | 12B・本体23.8GB/ComfyUI用のFP8版17.25GB | 非商用 |
| FLUX.1 [schnell] | 12B・本体23.78GB/ComfyUI用のFP8版17.24GB | Apache 2.0(商用可) |
| Wan 2.2 5B(TI2V) | ComfyUI:オフロードありでVRAM 8GBに収まる/公式スクリプト:24GB以上(RTX 4090など) | Apache 2.0 |
| Wan 2.2 14B(T2V・I2V) | ComfyUI用のFP8版は2ファイル(各14.29GB)を切り替えて使う/公式スクリプト:80GB以上 | Apache 2.0 |
| Wan 2.1 1.3B | VRAM 8.19GB | Apache 2.0 |
| Wan 2.1 14B | ComfyUI用:fp16版28.58GB/fp8版14.29GB | Apache 2.0 |
出典=Black Forest LabsとComfy-OrgのHugging Faceのモデルページ(FLUX)、Wan 2.1・Wan 2.2の公式README、ComfyUI公式ドキュメント(Wan 2.2)。2026年10月6〜10日に確認。
当サイトのRTX 4070 Ti SUPER(16GB)では、公式の目安が約13GBのklein 4Bが1024×1024で最後まで動き、推奨設定(4ステップ)でモデルの読み込みが済んだ2回目の生成は、ComfyUIのAPIに投げてから完了まで3.0秒でした(ComfyUI 0.20.1・2026年9月28日・VRAM 16GBで画像生成モデル4本を比べた記事)。VRAMに載り切らないときにどれだけ遅くなるかは、ComfyUIのVRAM不足の遅さを測った記事で扱っています。
Black Forest Labsは公式にFP8とNVFP4の量子化チェックポイントを配布しており、FP8で最大40%、NVFP4で最大55%VRAM使用量を削減できます(Black Forest Labsの公式発表・2026年1月・FLUX.2 [klein] の値)。方式ごとの画質差の考え方はFlux.1を動かすVRAM量子化戦争:NF4 vs GGUF vs FP8がそのまま応用できます。
VRAMは何GBのGPUを選べばいい?
公式の目安で並べると、8GBで入口に立てるのはWan 2.2 5B(ComfyUIのオフロードあり)とWan 2.1 1.3B(8.19GB)です。FLUX.2 [klein] 4Bを目安(約13GB)どおりに載せるなら16GBが要ります。klein 9Bは公式に「約29GB・RTX 4090以上」とされています。
16GBを積むRTX 50シリーズは、RTX 5060 Ti(16GB版)・RTX 5070 Ti・RTX 5080で、RTX 5070は12GB、RTX 5090は32GBです(NVIDIA公式)。RTX 5060 Tiには8GB版もあるので、型番とVRAMの両方で確かめてください。画像と動画の入口を両方こなせる16GBが、当サイトの見立てでは選びやすい容量です。
VRAMが足りないときは?
- 小さい版・FP8版を選ぶ:画像はklein 4B、動画はWan 2.2 5Bから始め、FLUX.1やWanの14BはFP8版を使います。
- GPUを16GB級に替える:16GBのRTX 5070 Tiを積んだ構成の選び方はRTX 5070 Ti搭載BTOパソコンガイドで比べています。
ComfyUIの導入手順(Windows・ポータブル版)
ポータブル版は、Pythonを同梱した7z形式の配布で、展開して起動用のバッチファイルを開くだけで動きます(ComfyUI公式ドキュメント)。インストーラー形式のデスクトップ版(Windows・macOS)もあります。
1本体をダウンロードする
GitHubのComfyUI公式のリリースページから、RTXシリーズならComfyUI_windows_portable_nvidia.7z(CUDA 13.0・Python 3.13)、GTX 10シリーズ以前ならComfyUI_windows_portable_nvidia_cu126.7z(CUDA 12.6)を選びます。2026年10月5日のv0.39.0では、それぞれ約2.0GB・約1.9GBでした。
27-Zipで展開する
展開したフォルダに、起動用のrun_nvidia_gpu.batと、更新用のupdateフォルダがあります。置き場所は、トラブルを避けるため半角英数字だけのパス(例:C:\ComfyUI)にしておくのが無難です。
3起動する
run_nvidia_gpu.batをダブルクリックすると、コマンドの画面でサーバーが立ち上がります。表示されるアドレス(既定はhttp://127.0.0.1:8188)をブラウザで開くと、ComfyUIの画面が出ます。
4本体を更新する
updateフォルダのupdate_comfyui_stable.bat(安定版へ)か、update_comfyui.bat(最新の変更まで)で更新します。公式テンプレートを開いてノードが赤く欠けるときは、まず本体を更新します。
5公式テンプレートを開く
サイドバーの「Templates」アイコン(またはメニューの「Workflow → Browse Workflow Templates」)から、FLUX・Wanの公式テンプレートを開きます。テンプレートには必要なモデルの取得先が埋め込まれていて、モデルが見つからないと初回にダウンロードの案内が出ます。デスクトップ版以外はブラウザでダウンロードされるので、次の節の表のフォルダに置きます(ComfyUI公式ドキュメント)。
FLUX・Wanは標準のノードで動くので、この記事の手順に追加のカスタムノードは要りません。カスタムノードを管理するComfyUI-Managerは、今は依存パッケージを入れたうえで起動オプションで有効にする方式です(ComfyUI公式のREADME)。
画像:FLUX.2 [klein]とFLUX.1のファイルの置き場所
FLUX.2 [klein]とFLUX.1のフル版は、モデル本体・テキストエンコーダ・VAEの3種類を別々のフォルダに置きます。FLUX.1には、1ファイルで済むFP8版もあります。
FLUX.2 [klein] 4B(画像の入口)
| ファイル | 置き場所(ComfyUIフォルダ基準) |
|---|---|
| flux-2-klein-4b.safetensors(蒸留版・4ステップ)/flux-2-klein-base-4b.safetensors(非蒸留版) | models/diffusion_models/ |
| qwen_3_4b.safetensors(テキストエンコーダ) | models/text_encoders/ |
| flux2-vae.safetensors(VAE) | models/vae/ |
ファイル名は、ComfyUI公式のklein 4Bのテンプレートに書かれている名前です。ComfyUI公式ドキュメントの値では、蒸留版はRTX 5090で約1.2秒・VRAM 8.4GB、非蒸留版は約17秒・9.2GBでした。Black Forest Labsの目安(約13GB)とは別の、ComfyUIでの値です。FLUX.2 [dev](32B)はテキストエンコーダが別のファイル(Mistral系)なので、FLUX.2をローカルで動かす記事の手順を見てください。
FLUX.1 [dev]・[schnell]
FLUX.1は12Bのモデルで、置き方が2通りあります(ComfyUI公式のFLUX.1のチュートリアル)。
| 置き方 | ファイル | 置き場所 |
|---|---|---|
| 1ファイルで済ませる(FP8版) | flux1-dev-fp8.safetensors(17.25GB)/flux1-schnell-fp8.safetensors(17.24GB) | models/checkpoints/(「Load Checkpoint」で読む) |
| フル版 | flux1-dev.safetensors(23.8GB)/flux1-schnell.safetensors(23.78GB) | models/diffusion_models/ |
| clip_l.safetensors と t5xxl_fp16.safetensors(VRAMが少なければ t5xxl_fp8_e4m3fn.safetensors) | models/text_encoders/ | |
| ae.safetensors(VAE) | models/vae/ |
[dev]の重みは、Hugging Faceでライセンスに同意してからダウンロードできます。[schnell]は4ステップで生成する高速版で、Apache 2.0なので商用にも使えます。
動画:Wan 2.2・Wan 2.1のファイルの置き場所
Wanも、モデル本体・テキストエンコーダ・VAEを別々のフォルダに置きます。テキストエンコーダのumt5_xxl_fp8_e4m3fn_scaled.safetensorsは、Wan 2.1と2.2で共通です。
Wan 2.2 5B(動画の入口)
5Bは、テキストからも画像からも動画を作れる版(TI2V)で、720P・24fpsで生成します(Wan 2.2の公式README)。
| ファイル | 置き場所 |
|---|---|
| wan2.2_ti2v_5B_fp16.safetensors(10.0GB) | models/diffusion_models/ |
| umt5_xxl_fp8_e4m3fn_scaled.safetensors | models/text_encoders/ |
| wan2.2_vae.safetensors(1.41GB) | models/vae/ |
Wan 2.2 14B(T2V・I2V)
14Bは、高ノイズ用と低ノイズ用の2つのモデルを、生成の前半と後半で切り替えて使います(公式READMEのMoE構成)。ComfyUI用のFP8版は、テキストから作るT2Vならwan2.2_t2v_high_noise_14B_fp8_scaled.safetensorsとwan2.2_t2v_low_noise_14B_fp8_scaled.safetensors(各14.29GB)をmodels/diffusion_models/に置き、VAEは5B用ではなくwan_2.1_vae.safetensorsを使います(画像から作るI2Vはi2vのファイル)。ComfyUI公式のWan 2.2のページには、14BのVRAMの目安は書かれていません。
Wan 2.1(1.3B・14B)
| ファイル | 置き場所 |
|---|---|
| wan2.1_t2v_1.3B_fp16.safetensors(2.84GB)/14B はwan2.1_t2v_14B_fp8_scaled.safetensors(14.29GB)など | models/diffusion_models/ |
| umt5_xxl_fp8_e4m3fn_scaled.safetensors | models/text_encoders/ |
| wan_2.1_vae.safetensors(VAE) | models/vae/ |
| clip_vision_h.safetensors(画像から作るI2Vだけ) | models/clip_vision/ |
Wan 2.1は2025年2月25日に重みが公開され、標準の長さは81フレーム(16fpsで約5秒)です(公式README)。アニメ調の動画の作り方はWan 2.1でアニメ風動画を生成する方法、Wan 2.2の操作はWan 2.2でAI動画生成|ComfyUIネイティブ対応の導入手順にまとめています。
Wan 2.5以降はローカルで使える?
Wan公式のGitHub(Wan-Video)のリポジトリ(2026年10月10日に6件)と、Wan-AIのHugging Faceのモデル一覧(10月9日に27件)にあったのは、Wan 2.1・Wan 2.2の系統とWan-Animate-2・Wan-Dancerまでで、Wan 2.5以降の重みはありませんでした。Wan 2.5は、Alibaba CloudのModel Studioで提供されているモデルです(Alibaba Cloudの公式ブログ)。この2か所で確かめた範囲では、ローカルで動画を作れるのはWan 2.2までです(ModelScopeなど他の配布先は確かめていません)。
まとめ:VRAMとファイルの置き場所を先に決める
画像はFLUX.2 [klein] 4B(約13GB・商用可)、動画はWan 2.2 5B(ComfyUIならオフロードありで8GB)を入口にし、ファイルは公式テンプレートの指定どおりのフォルダに置くのが近道です。VRAM 16GBはklein 4Bの公式の目安(約13GB)を上回り、当サイトの16GBの検証機でも1024×1024で最後まで動きました。Wan 2.5以降の重みは公式のGitHubとHugging Faceに無いので、この2か所で確かめた範囲では、ローカルで動画を作るならWan 2.2までが対象です。
GPUを買い替えるなら、使いたいモデルのVRAMから逆算して選んでください。動画生成のモデル別のVRAMはローカルAI動画生成のGPU/VRAM選び、画像生成はAI画像生成のGPU/VRAM選びで比べています。
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