いまサポートされているのはどれ?
公式のLTSページで「Long-Term Support」に並んでいるのは 5.2 と 4.5 の2本だけ。4.2 と 3.6 は「Previous LTS Releases」へ移っている。
| 版 | 最後に更新された時点(公式表記) | 状態 |
|---|---|---|
| 5.2 LTS | 2026年9月15日に 5.2.2 | ✅ 現行LTS |
| 4.5 LTS | 2026年9月15日に 4.5.14 | ✅ 現行LTS |
| 4.2 LTS (2024年7月14日公開) |
2026年7月に 4.2.23 が最後 | ❌ 旧LTS扱いへ |
| 3.6 LTS (2023年6月27日公開) |
2025年4月に 3.6.22 が最後 | ❌ 旧LTS扱い |
| 5.1・5.0・4.4・4.3 などの通常版 | — | ❌ 次のリリースで終了 |
Blender は公式の開発者向けの手引きによると、年3本の安定版のうち1本が2年間の長期サポート(LTS)になる。たとえば 5.2 LTS は2026年7月14日の公開で、公式のリリースページでは2028年7月まで修正が出るとされている。逆に言えば、通常版は次が出た時点で更新が止まる。
3.6や4.2のまま使い続けるとどうなる?
すぐ動かなくなるわけではない。効いてくるのは修正が来ないことと、周辺が先に進むことだ。
- 不具合修正が来ない。踏んだバグは自分で回避するしかない
- アドオンが新しい版だけを対象にしていく。4.2以降は拡張機能の配布の仕組み自体が変わった(アドオンの導入方法)
- 解説記事やチュートリアルが噛み合わなくなる。とくにレンダラー周りは 4.2 で EEVEE が作り直されている(EEVEE Nextの設定)
- 他ツールとの受け渡しで、書き出し側の仕様が新しい版前提になる
納品済みプロジェクトを開き直す必要がある案件なら、作った版をそのまま残すのが正解でもある。問題は「新規の作業も古い版で始めてしまう」ことのほうだ。
4.5 LTS と 5.2 LTS、どちらに上げる?
寿命で選ぶなら 5.2、周辺の成熟で選ぶなら 4.5。差は1年だ。
| 4.5 LTS | 5.2 LTS | |
|---|---|---|
| 公開日(公式) | 2025年7月15日 | 2026年7月14日 |
| 修正が出る期間 | 2027年7月ごろまで(LTSは2年という公式の方針から) | 2028年7月まで(公式) |
| アドオンの対応 | 枯れている側 | これから追いつく側 |
| 向いている人 | いま動く環境が要る | 次の入れ替えを遠ざけたい |
4.5 は 4.5.14 まで修正が重ねられているのに対し、5.2 は 5.2.2 で、公開から3か月ほどだ(2026年10月11日時点)。使っているアドオンが5.x対応を明言しているかを先に見るのが、実務では一番効く判断材料になる。
並行インストールして試せる?
設定フォルダはバージョンごとに分かれる作りになっている(公式マニュアル)。検証機でも実際に分かれていた。
公式マニュアルのユーザーディレクトリの説明では、Windowsなら%USERPROFILE%\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\5.2\のように、版の番号のフォルダに設定が置かれる。
検証機のユーザー設定フォルダには 2.93 と 3.6 が別々のディレクトリとして並んでいた。2021年に作られた 2.93 の設定が、2024年に 3.6 へ移ったあとも残っている。
公式の説明どおりなら、4.5 や 5.2 を足しても 3.6 の設定は残る。当研究所は 4.5・5.2 を入れて確かめてはいないので、大事な環境なら設定フォルダをコピーしてから試してほしい。
移行の進め方としては、①新しい版を別途インストール ②実案件ではなく手持ちの .blend を開いて確認 ③アドオンを1つずつ入れ直すという順が安全だ。古い版はアンインストールせずに残しておけば、詰まったときに戻れる。
上げる前に確認しておくことは?
壊れるとしたら自分が足したもののほうだ。本体より周辺を先に見る。
| 確認するもの | 見るところ |
|---|---|
| アドオン・拡張機能 | 配布元が対応バージョンを明記しているか。有料アドオンは更新の提供期間も |
| 他ツールとの受け渡し | 書き出し・読み込みの設定が版で変わっていないか |
| 進行中の .blend | 新しい版で開くと保存形式が上がる。開く前に複製を取る |
| レンダー設定 | レンダラー側の作り直しがあった版をまたぐと、設定が引き継がれない項目が出る |
| スクリプト・自作ツール | Python APIは版をまたぐと変わることがある |
とくに3つ目は取り返しがつかない。新しい版で保存したファイルは古い版で開けなくなることがあるので、案件データは必ず複製してから開く。5.2で保存したファイルを3.6で開いた結果は、5.2と3.6の往復を実機で確かめた記事にまとめた。
いつまでに決めるべきか
LTSは年1本・2年サポートなので、上げた版によって次の判断時期がずれる。
4.5 は2025年、5.2 は2026年のLTS。4.5 に上げると、5.2 に上げた場合より1年早くもう一度同じ判断をすることになる。年3本のうち1本がLTS・LTSは2年、というのが公式の方針なので、当面はこの前提で計画できる。正確な終了日は公式のLTSページで確認してほしい。
確認した範囲:各版の公開日・最終更新のパッチ番号と時期・「Long-Term Support/Previous LTS Releases」の分類は、Blender公式のLTSページを2026年10月11日に取り直して確認したもの(初版は8月28日の取得。5.2.2と4.5.14は9月15日の更新)。「年3本のうち1本がLTS/LTSは2年」は公式の開発者向けの手引き(Release Cycle)による。個別の終了日は公式ページで最新を確認してほしい。
検証機側は、Program Files\Blender Foundation\Blender 3.6 の実行ファイル(blender.exe --version の出力は Blender 3.6.11・2026年10月11日)と、ユーザー設定フォルダに 2.93/3.6 が別々に存在することを確認した。
4.5 や 5.2 を実機に入れての動作確認は行っていない。アドオンの対応状況・移行時に壊れる箇所の具体は、使っているアドオンごとに配布元で確認してほしい。
よくある質問
サポートが終わったら使えなくなりますか
通常版(5.1など)はLTSと何が違いますか
古い版を消さずに新しい版を入れられますか
4.2 LTS はもう上げるべきですか
まとめ:生きているLTSは2本だけ
- 公式が現行LTSとして並べるのは 5.2 と 4.5 の2本だけ(どちらも2026年9月15日に 5.2.2・4.5.14)
- 4.2 は2026年7月の 4.2.23 が最後。3.6 は2025年4月の 3.6.22 が最後
- 通常版は次のリリースで終わる。年3回のうちLTSは1本
- 寿命で選ぶなら 5.2、枯れ具合で選ぶなら 4.5。差は1年
- 設定はバージョンごとに分かれるので並行インストールで試せる
上げたあとにレンダリングが遅くなったと感じたら、設定側を先に疑うと切り分けが早い(レンダリングを速くする設定)。

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