アニメ系SDXLの主要3系統は、絵柄より先にライセンスで分かれる。Animagine XL 4.0 は商用利用を認める CreativeML Open RAIL++-M、NoobAI-XL は「商用化を禁止し派生物のオープンソース化を求める」追加条項つき、Illustrious XL はバージョンごとにライセンス表記が違う。派生チェックポイントを使うときに効いてくるのはここだ。
3系統は何が違う?
出自が違う。Illustrious と NoobAI は親子で、Animagine だけ別系統だ。
| モデル | ベース | 公式カードの記載 |
|---|---|---|
| Illustrious XL | SDXL | 自然言語と Danbooru タグの両方に対応 |
| NoobAI-XL | NoobAI-XL 1.0 (さらに遡ると Illustrious-xl) |
タグの分類体系を細かく定義 |
| Animagine XL 4.0 | Stable Diffusion XL 1.0 | 840万枚のアニメ画像で一から再学習 |
NoobAI のモデルカードは、ベースを Laxhar/noobai-XL-1.0 と明記し、それがさらに Illustrious-xl 由来だと書いている。「Illustrious系」と一括りにされる派生の多くはこの流れにある。
いちばん大事な違いはライセンス
3つとも別のライセンスで、1つは商用化を明示的に禁じている。
| モデル | 公式カードのライセンス表記 |
|---|---|
| Animagine XL 4.0 | CreativeML Open RAIL++-M(Stability AI のものを無改変で採用) |
| NoobAI-XL 1.1 | fair-ai-public-license-1.0-sd+商用化の禁止と派生物のオープンソース化を求める追加条項 |
| Illustrious XL | バージョンで違う(次の見出し) |
Animagine XL 4.0 のカードは、採用したライセンスが「商用利用・改変・再配布・私的利用を認める」ものだと説明している。一方 NoobAI-XL 1.1 のカードには追加制約があり、同じ「Illustrious系」でも扱いが逆になる。
ここは記事の要約で判断しない。ライセンスは版ごと・配布元ごとに変わるうえ、二次情報は不利な条項が落ちやすい。仕事で使うなら使う版のモデルカードとライセンス原文を自分で開く。本記事も、各モデルの公式カードに書かれている表記をそのまま示すところまでで、法的な判断はしていない。
Illustriousはバージョンでライセンス表記が変わる
同じ名前でも、v0.1・v1.0・v2.0 で表記が3つとも違う。
| 版 | ライセンス表記 |
|---|---|
| early release v0(v0.1) | fair-ai-public-license-1.0-sd |
| v1.0 | sdxl-license |
| v2.0 | creativeml-openrail-m |
派生チェックポイントは「Illustriousベース」としか書かれていないことが多い。どの版から派生したかで前提が変わるので、配布ページのベース表記まで見る必要がある。
v2.0 の正式名称は Illustrious XL v2.0-STABLE。カードは「わずかに安定化されたチェックポイントで、挙動は少し異なるが生成フェーズでは概して安定する」と書いている。
「マージ用のベースなので単体生成には使うな」という解説を見かけることがあるが、v2.0 の raw/main/README.md(YAML部を含めて十数行)を全文取得して読んだ範囲に、その趣旨の記述は無かった。むしろ生成側で安定するという書き方になっている。
プロンプトの書き方が違う
同じアニメ系でもタグの並べ方の指定が違う。他モデル用のテンプレをそのまま流すと精度が落ちる。
| 公式カードが示す構造 | |
|---|---|
| Animagine XL 4.0 | 1girl / 1boy / 1other → キャラ名 → 作品名 → レーティング → 残りは任意順 → 最後に品質タグ |
| NoobAI-XL 1.1 | 人数・属性 → キャラ名 → 作品名 → 絵師 → 特殊タグ → 一般タグ → その他 |
品質タグの考え方も違う。Animagine は masterpiece, high score, great score, absurdres を末尾に足す形。NoobAI は人気指標の百分位でランクを定義していて、masterpiece が上位5%、best quality が85〜95%、good quality が60〜85%、normal quality が30〜60%、worst quality が下位30%以下という設計だ。推奨の接頭辞は masterpiece, best quality, newest, absurdres, highres, safe。
推奨解像度と設定は?
| 解像度 | CFG | ステップ | サンプラー | |
|---|---|---|---|---|
| Animagine XL 4.0 | 832×1216/1216×832/1024×1024 | 5(4〜7) | 28(25〜28) | Euler Ancestral |
| NoobAI-XL 1.1 | 832×1216 など(面積で約1024×1024) | 5〜6 | 25〜30 | Euler a |
| Illustrious XL v1.0 | ネイティブ1536×1536。512×512〜1536×1536、1248×1824 のような変則も可 | カードに記載なし | ||
Illustrious v1.0 の1536ネイティブは他2つと明確に違う。高解像度で直接出せるぶんVRAMを食うので、8GB級で回すなら生成解像度を下げてアップスケールに回す判断が要る(アップスケールの使い分け)。
どれを選ぶ?
- 仕事で使う可能性がある → ライセンス表記を最初に見る。商用可否が明示されているものを選ぶ
- 作品名・キャラ名を指定して描かせたい → タグ体系が明文化されている系統が扱いやすい
- 高解像度で直接出したい → 1536ネイティブの世代を検討する
- 手持ちのLoRAを活かしたい → LoRAが前提にしているベースに合わせる。系統をまたぐと効きが落ちる
確認した範囲(すべて2026年8月28日時点):ライセンス表記・ベースモデル・推奨プロンプト構造・推奨設定は Hugging Face の公式モデルカードを原文で確認した。対象は huggingface.co/ 配下の OnomaAIResearch/Illustrious-XL-v1.0/OnomaAIResearch/Illustrious-XL-v2.0/Laxhar/noobai-XL-1.1/cagliostrolab/animagine-xl-4.0 の4つ。
生成結果の比較は行っていないので、絵柄の優劣・キャラ再現度・LoRAの効きは本記事では判定していない。ライセンスの解釈も行っていない(表記の提示まで)。モデルカードは更新されるので、実際に使う版のページを必ず自分で開くこと。
よくある質問
Illustrious系なら全部同じライセンスですか
Animagineのプロンプトをそのまま他モデルに流せますか
どれがいちばんきれいに出ますか
VRAM 8GBでも動きますか
まとめ:絵柄の前にライセンスを見る
- Animagine XL 4.0 = SDXL 1.0 から840万枚で再学習/CreativeML Open RAIL++-M
- NoobAI-XL 1.1 = Illustrious 由来だが商用化禁止の追加条項つき
- Illustrious XL = v0.1・v1.0・v2.0 でライセンス表記が3つとも違う
- プロンプトのタグ順と品質タグはモデルごとに指定が別
- 推奨解像度も別。Illustrious v1.0 は1536ネイティブ
モデルを増やすほどディスクが効いてくる。複数の環境で使い回すなら置き場所を先に決めておく(モデルを共有する設定)。プロンプトの組み立て自体は別記事にまとめてある(SDXLプロンプト設計)。

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