【2026年版】Substance PainterからBlenderへの書き出し手順|プリセット選択とノード接続

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substance painter to blender export guide 2026

Substance PainterからBlenderへテクスチャを渡すとき、最初の分岐は書き出しプリセットの選択にある。同梱プリセットにはBlender専用のものが1つあり、これを選ぶかどうかで法線マップの向きが変わる。汎用の「PBR Metallic Roughness」では凹凸が逆に彫れる。

実機の Substance 3D Painter 12.1.3 に同梱された書き出しプリセット34個の定義ファイルを直接読み、参照している法線チャンネルを全件確認した。あわせて Blender 3.6.11 をバックグラウンドモードで起動し、ソケット名と初期値を実測している。

目次

Blender向けのプリセットはどれを選ぶ?

Export Textures の Output template で「Blender (Principled BSDF)」を選ぶ。Blender専用として同梱されているプリセットで、法線マップの参照先が Normal_OpenGL になっている。BlenderのタンジェントスペースはOpenGL規格(緑チャンネルが上向き)なので、これが正しい組み合わせだ。

問題は汎用プリセットを選んだときだ。34個の定義ファイルで参照先を数えると内訳はこうなる。

参照先 件数 主なプリセット
Normal_OpenGL 21 Blender (Principled BSDF)、Unity URP/HDRP、Arnold、V-Ray Next、Redshift
Normal_DirectX 12 PBR Metallic Roughness、PBR Specular Glossiness、Unreal Engine (Packed)、CryEngine
法線を含まない 1 Mesh Maps

⚠️ 名前に「PBR」と付く4つのプリセットは、すべてDirectXを参照している。「エンジン名が付いていないから汎用だろう」と選ぶと、Blenderでは凹凸が反転する。しかも反転は気づきにくい。面が潰れるのではなく、ネジ穴が飛び出しリベットがへこむ、という形で出る。

この反転はBlender 3.6.11のCyclesで実測した。左半分を+Y・右半分を−Yに傾けた法線マップで同一シーンを描画し、緑チャンネルだけ反転した版と輝度を比べた結果がこれだ。

法線マップ 左半分の輝度 右半分の輝度
そのまま 0.3216 0.8591
緑チャンネル反転 0.8594 0.3218
同じマップを再描画(対照) 0.3216 0.8591

左右の値がほぼ完全に入れ替わっている(差は0.0003以下)。同じマップを2回描画した対照では値が動かないので、入れ替わりは緑チャンネルの反転だけで起きている。凹凸は「浅くなる」のではなく「鏡像になる」。

規格の見分け方とUE5・Unity・Maya向けの設定は書き出し設定・解像度完全ガイドにまとめてある。

Blender側のノード接続はどうつなぐ?

このプリセットの出力は7枚で、すべてPNG。ファイル名は $textureSet_BaseColor(_$colorSpace)(.$udim) の形式になる。行き先はこうなる。そのまま挿すのは5枚で、NormalとDisplacementは中間ノードを挟む。

マップ 中間ノード 接続先 Color Space
BaseColor Base Color sRGB
Metallic Metallic Non-Color
Roughness Roughness Non-Color
Emission Emission sRGB
Alpha Alpha Non-Color
Normal Normal Map Normal Non-Color
Displacement Displacement Material Output の Displacement Non-Color

Normal Map ノードは初期値が Tangent Space・Strength 1.0 で変更不要だ。Displacement ノードの Midlevel は初期値 0.5 で、PainterのHeightが中間グレーを基準にする前提と合う。

🔎 AO(アンビエントオクルージョン)は出力に含まれない。設定ミスではなく、プリセットの定義にAO出力が無い。Principled BSDF側にもAOの入力ソケットは存在しない(26入力を実機で列挙して確認)。必要なら Mix Color を Multiply にして Base Color に掛ける。

⚠️ Blender 4.0以降はソケット名が変わる。Principled BSDFが刷新され、EmissionEmission ColorSpecularSpecular IOR Level になった。つなぐ位置は同じだ。3.6を使い続けるかの判断はBlender 3.6・4.2は旧LTS入りで整理した。

なぜカラースペースを直さないと破綻する?

Blenderの Image Texture ノードは、読み込んだ画像のカラースペースを初期値でsRGBにする。3.6.11の実機で確認した挙動で、ファイル名に何が書いてあっても自動判別はしない。つまり7枚のうち5枚は、貼った直後は間違った状態にある。

sRGBのままだと数値がガンマ変換されて読まれ、Roughnessはツルツル寄りに、Metallicは中間値が金属に寄りすぎ、Normalは凹凸が弱くなる。エラーは出ない。該当ノードの Color Space を Non-Color に変えれば直る。

書き出したのに効かないマップが3枚ある

接続もカラースペースも正しいのに反映されないものが3つある。いずれもBlender側の初期値が「使わない」側に倒れているためで、テクスチャの問題ではない。

マップ 初期値(3.6.11実測) 変更先
Alpha Blend Mode = OPAQUE マテリアルプロパティの Blend Mode を Alpha Clip/Alpha Hashed/Alpha Blend へ
Displacement Displacement = BUMP Settings の Displacement を Displacement または Displacement and Bump へ
AO 入力ソケット自体が無い Mix Color を Multiply にして Base Color へ

3.6でDisplacementはCycles側のプロパティとして実装されており、EEVEEでは真の変位にならない。EEVEEで凹凸を出すならBumpノードのHeightへ入れる。Cyclesの実変位はAdaptive Subdivisionが要り、4Kテクスチャ7枚に細分化後のジオメトリが積み上がる。VRAMが足りないとGPUレンダリングはCPUへ落ちる。

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反映されないときはどこを見る?

症状 最初に見る場所
凹凸が逆向き 書き出しプリセット。PBR系ならDirectX参照
ツルツル/色が浅い Image Texture の Color Space がsRGBのまま
透明にならない マテリアルの Blend Mode が OPAQUE
変位しない Displacement が BUMP、またはEEVEE描画

🔎 実測した範囲:プリセット34件の参照チャンネルの全件読み出し、Blender 3.6.11 のソケット構成と各初期値、上の描画比較(対照込み)までが実測値だ。Painterから書き出したファイルをBlenderへ読み込む端から端までは通していないので、「PBR系を選ぶと反転する」は参照先(実測)と反転の効果(実測)をつないだ帰結になる。Alpha・Displacement・AOは初期値までで、変更後の描画は比較していない。4.x系のソケット名は公式リリースノートによるもので実機未確認だ。

まとめ:4か所を押さえれば通る

  • プリセットは「Blender (Principled BSDF)」。PBRと名の付く汎用4種はすべてDirectX参照
  • sRGBのままにするのはBaseColorとEmissionだけ。残り5枚はNon-Colorへ
  • NormalとDisplacementは直結しない。Normal Map/Displacementノードを挟む
  • 効かない3枚はBlender側の初期値が原因。Blend Mode・Displacement・AOを見る
すでにPBR Metallic Roughnessで書き出してしまいました。出し直しが必要ですか?
ノード側で戻せます。NormalマップとNormal Mapノードの間で緑チャンネルだけを反転させると、本文の実測のとおり陰影が鏡像に戻ります。ただしノードが増えて後から追いにくくなるので、恒久的には出し直すほうが確実です。
Blender (Principled BSDF) プリセットはUDIMに対応していますか?
対応しています。プリセットのファイル名テンプレートに (.$udim) が含まれており、UDIMを使うプロジェクトではタイル番号が自動で付きます。Blender側はImage TextureノードのSourceをUDIM Tilesに切り替えて読み込みます。
12.1でOpenPBRが既定になりましたが、このプリセットはそのまま使えますか?
同梱プリセット34個の中にOpenPBR向けはありません。Principled BSDFに渡す前提なら、プロジェクト作成時にPBR – Metallic Roughnessテンプレートを明示的に選ぶほうが素直です。OpenPBR固有のパラメータには受け皿がないためです。
Emissionマップを挿しても光りません。何が足りませんか?
3.6.11ではEmission Strengthの初期値が1.0なので、Emissionソケットに挿せば発光自体はします。光らない場合はEmissionマップが真っ黒か、Color SpaceをNon-Colorにしてしまっている可能性が高いです。Emissionは色情報なのでsRGBのままにします。
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この記事を書いた人

ITインフラエンジニア歴12年。クラウド(AWSがメイン、一部Azure)の実務は3年目。並行して社会人向けの3DCGスクールに在学中。Windows 11 + RTX 4070 Ti SUPER の自宅環境で実際に手を動かしながら、インフラ・クラウド・AI・3DCGの技術記事を書いています。

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