3DCGのポートフォリオは「全部載せる」が最大の失敗です。自信のある作品を厳選し、デザインは白・黒・グレーで統一する。そしてキャラモデラー志望ならUV展開図を必ず入れる——採用担当が見たいのは完成画像だけでなく作り方だからです。
私自身、3DCG専門スクールの卒業を控えてポートフォリオを組んでいる最中です。作りながら調べたこと、実際に迷ったことを整理しました。業界歴の長い人の完成された話ではなく、いま同じ地点にいる人向けの内容です。
ポートフォリオは何を見られているのか?
完成品のクオリティだけではありません。工程を管理できる人かどうかが見られています。
だから同じ絵でも、レンダリング画像だけを並べたものと、ワイヤーフレーム・UV展開図・テクスチャマップまで見せたものでは、伝わる情報量がまったく違います。特にキャラモデラー志望ならUV展開図を入れることで、効率のよい展開ができる人だと伝わります。
| 載せるもの | 伝わること |
|---|---|
| レンダリング画像 | 最終的な絵作りの力 |
| ワイヤーフレーム | トポロジーの整理力 |
| UV展開図 | UV効率・テクセル密度の意識 |
| テクスチャマップ一式 | PBRの理解度 |
| 制作工程のカット | 手順を組み立てる力 |
構成はどうする?
基本情報と経歴を簡潔に。使用ソフトは「使える」だけでなく使用年数と頻度まで書きます。「Maya(2年・週5日)」と「Maya(触ったことがある)」では意味が違い、書かなければ後者と見なされます。
全部を丁寧に見てもらえる前提で組まないでください。最初の1〜2作品で判断されると考えて、順番を決めます。
使用ソフト・制作期間・担当範囲(チーム制作なら特に)を各作品に添えます。担当範囲を書かないと、どこまでが自分の仕事か伝わりません。
ここが一番難しく、一番効きます。全部詰め込むと情報過多になり、平均点で見られます。迷ったら外す、が基本です。
「作品数が少ないと不安」で埋めない
数を揃えるために完成度の低い作品を足すと、全体の印象がそこに引きずられます。弱い作品は足すのではなく、作り直すか外すかの二択です。
デザインで気をつけることは?
3DCGのポートフォリオは白・黒・グレーで統一したシンプルなものが主流です。理由は明確で、派手な配色やレイアウトは作品そのものを埋もれさせるからです。
ポートフォリオのデザイン力を見せる場ではありません。作品を見せるための器だと割り切ったほうが結果的に良く見えます。
どこに公開する?
| サービス | 特徴 |
|---|---|
| ArtStation | CG・ゲーム・VFX業界で最も広く使われる。海外の就職・転職でも標準 |
| Sketchfab | 3Dモデルをブラウザ上で回して見せられる |
| Behance | デザイン全般。3DCG専門ではない |
国内就職でもPDFとは別にArtStationを用意しておくと、URLひとつで見てもらえます。Sketchfabはモデルを実際に回せるため、トポロジーを見せたい場合に強い手段になります。
作品づくりで詰まったときは
ポートフォリオ制作でつまずく箇所はだいたい決まっています。私が実際に時間を溶かしたのは次のあたりでした。
- UVの重なりでベイクが破綻する——UV island overlapの解決方法
- テクスチャが暗い・色が違う——Maya ACES設定の問題/UE5で色が変わる問題
- 質感が単調で嘘くさい——スマートマスクで汚れの分布を作る
- レンダリングに時間がかかりすぎる——レンダリング高速化
技術の穴が見つかったら、そこだけ集中的に埋めるのが早いです。全体を学び直すより、詰まっている工程に的を絞ったほうが作品が前に進みます。
まとめ
ポートフォリオで効くのは、①厳選する ②工程(UV・ワイヤー・テクスチャ)を見せる ③デザインは作品の邪魔をしないの3点です。
特に②は、作品数が多くない段階でも差をつけられる部分です。同じ1作品でも、UV展開図とテクスチャマップを添えるだけで伝わる情報量が変わります。数で勝負できないなら、見せ方の密度で勝負するのが現実的な戦い方だと思っています。

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