【2026年版】BlenderからSubstance Painterへの持ち出し手順|FBX書き出しで欠ける2つの情報

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blender to substance painter fbx export 2026

BlenderのFBXエクスポータは、既定のままだとSubstance Painterに渡したい情報を一部書き出さない。特にスムージング(辺のハード/ソフト)とタンジェント(接線)で、どちらも初期値が「出力しない」側に倒れている。

実機の Blender 3.6.11 でFBXエクスポータの全パラメータの初期値を列挙し、さらに同じ球体を条件を変えて3回書き出して、生成されたFBXの中身を数えた。以下はその実測値だ。

目次

既定のまま書き出すと何が欠ける?

同一のメッシュを3条件で書き出し、FBX内の要素の出現数を数えた結果がこれだ。

書き出し条件 LayerElement
Smoothing
LayerElement
Tangent
LayerElement
Binormal
LayerElement
Normal
既定のまま 0 0 0 2
Smoothing を Face に 2 0 0 2
+ Tangent Space を有効 2 2 2 2

🔎 法線そのものは既定でも出ている(Normal は3条件とも2)。欠けるのはスムージンググループ=どの辺を硬く扱うかの情報と、タンジェント/バイノーマルの2つだ。「法線が消える」ではないので、症状も「真っ黒になる」ではなく「エッジの出方が意図と違う」という形で出る。

タンジェントを入れるとファイルサイズは約1.3倍になった(同条件で複数回測って比率は安定)。頂点ごとに接線ベクトルが増えるためで、ハイポリを大量に扱うときは無視できない差になる。

どの項目を変えればいい?

FBXエクスポータの主要パラメータについて、実機で読み出した初期値と、Painterへ渡す前提での扱いを並べる。

パラメータ 初期値(3.6.11実測) Painterへ渡すなら
Smoothing(mesh_smooth_type OFF Face か Edge に変える
Tangent Space(use_tspace False 法線ベイクの整合を優先するなら有効
Triangulate(use_triangles False 三角化の結果を固定したいなら有効
Apply Modifiers(use_mesh_modifiers True そのまま。モディファイア適用後が出る
Apply Scalings FBX_SCALE_NONE そのまま(Scaleは1.0で作業しておく)
Apply Unit / Space Transform どちらも True そのまま
!Experimental! Apply Transform False 触らない
Forward / Up -Z / Y そのまま(FBXの標準軸)

⚠️ 「!Experimental! Apply Transform」(bake_space_transform)は初期値のオフのままにする。名前のとおり実験的な項目で、有効にすると回転・スケールが焼き込まれる。軸が合わないときの応急処置として紹介されることがあるが、原因はたいていオブジェクトのトランスフォーム未適用のほうにある。書き出し設定ではなく、Blender側でCtrl+Aの適用を済ませるのが順番として正しい。

Painter側は何を選べばいい?

新規プロジェクトのTemplateで「Blender」を選ぶ。同梱テンプレート26個の中にBlender専用のものがあり、実機で中身を読むとdefaultExportPresetBlender (Principled BSDF) の書き出しプリセットが紐付いている。

これは地味に効く。SPからBlenderへの書き出しで書いたとおり、汎用のPBR系プリセットを選ぶと法線がDirectX参照になって凹凸が反転するが、Blenderテンプレートで作っておけば書き出し時の既定が最初からBlender用になる。入口で選べば出口で間違えない。

ただしテンプレートが持っている書き出しパラメータの初期値も実機で読める。bitDepth は “8”、形式はPNG、dilationDistance は16、パディングは infinite だった。

🔎 8-bitのままでいいかは用途による。BaseColorは8-bitで問題ないが、NormalやHeightは緩やかなグラデーションで段差(バンディング)が出ることがある。ビット深度と解像度の考え方は書き出し設定・解像度完全ガイドにまとめてある。

ベイクのための準備はBlender側で終わらせる

Painterにモデリング機能はないので、UV展開・命名・マテリアル分けはBlenderを離れる前に済ませる。ハイポリとローポリは _low / _high の接尾辞で揃えておく。ベイク設定の Match を「By Mesh Name」にしたとき、この命名が対応づけの根拠になる。

密集したパーツをそのまま焼くと隣のパーツの影が乗るので、この命名は見た目の問題ではなく必須の準備だ。ベイクの詳細はSubstance Painter入門ガイドで扱っている。

ハイポリは数百万ポリゴンになることがあり、書き出しの時点でメモリを使う。Painter側のベイクはGPUで走るのでVRAMも要る。ここが詰まると作業が止まる。

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毎回設定し直さないためには?

FBX書き出しダイアログの上部にあるOperator Presets の+ボタンで、いま入れた設定に名前を付けて保存できる。次からはプルダウンで呼び出すだけになる。Smoothing と Tangent Space は毎回手で戻すには忘れやすい位置にあるので、ここで固定しておく。

🔎 実測した範囲:Blender 3.6.11 をバックグラウンドモードで起動し、FBXエクスポータの全パラメータの初期値を列挙、同一メッシュを条件を変えて書き出し、生成物のバイト列を数えたところまで(Face/Edgeの比較、UVを外した場合の挙動を含む)。Painter側は同梱テンプレート26件と書き出しプリセット34件の定義を直接読んだ範囲で、Painterへ実際に読み込んでベイクした比較はしていない。「Smoothingが無いとエッジの出方が変わる」は、書き出し側にデータが無いこと(実測)からの帰結として書いている。

まとめ:出口ではなく入口で決める

  • 既定のFBXにはSmoothingもTangentも1件も入らない。法線は出ているので気づきにくい
  • Smoothing は Face か Edge に変える。Tangent Space は法線ベイクの整合を優先するなら有効に
  • Apply Transform(実験的)は触らない。軸ズレはBlender側のCtrl+Aで直す
  • Painterは「Blender」テンプレートで作る。書き出しプリセットが自動で紐付く
  • 設定はOperator Presetsに保存する。毎回手で戻すと必ずどこかで抜ける
Smoothing は Face と Edge のどちらを選べばいいですか?
どちらもデータとしては書き出されます。実機で比べたところ、FaceでもEdgeでもFBX内のLayerElementSmoothingの数は同じ2で、差はサイズに出ました。辺にSharpを立てた球で比べるとFaceが20,012バイト・Edgeが20,108バイトで、Edge側がシャープ情報を多く持ちます。辺で形状を作っているならEdge、面の島でまとまっているならFaceで足ります。
Tangent Space は常に有効にしたほうがいいですか?
常にではありません。有効にするとファイルサイズが約1.3倍になり、ハイポリでは無視できない差になります。法線マップをベイクして別のソフトへ渡す予定があるなら有効、Painter内で完結するなら必須ではありません。⚠️注意点として、UVが無いメッシュでTangent Spaceを有効にしても、実機ではエラーも警告も出ずタンジェントが0件のまま書き出されました。チェックを入れた=入っている、とは限りません。
FBXとOBJのどちらで渡すべきですか?
FBXです。OBJはスムージンググループやマテリアルIDの表現力が弱く、複数オブジェクトの階層も保てません。ベイク用のローポリ/ハイポリを命名で対応づける運用とも噛み合いません。
Blenderで見た向きとPainterで見た向きが違います。
FBXエクスポータのForward/Upは初期値が -Z / Y で、これはFBXの標準的な軸です。まず疑うのはオブジェクトのトランスフォームです。実機で回転45度・スケール(2, 1, 0.5)のオブジェクトにCtrl+A(Rotation & Scale)を当てると、オブジェクト側の値は回転0度・スケール1.0の単位値に戻り、変換はメッシュ側へ移りました。未適用のまま出すとこの値がFBXのノードに乗ったままになります。書き出し設定の軸をいじるのは最後の手段です。
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この記事を書いた人

ITインフラエンジニア歴12年。クラウド(AWSがメイン、一部Azure)の実務は3年目。並行して社会人向けの3DCGスクールに在学中。Windows 11 + RTX 4070 Ti SUPER の自宅環境で実際に手を動かしながら、インフラ・クラウド・AI・3DCGの技術記事を書いています。

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