【2026年版】Blender 5.2の新しい布シミュレーションは速い?従来のClothと同じ条件で実測

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Blender 5.2 の新しい布(Cloth Dynamics・実験的)は、同じ布を同じ球に落とした計算が、従来の Cloth の約2.7倍速く終わりました(72フレームで0.88秒 対 2.37秒)。球へのめり込みはどちらもありませんでした。

ただし既定のままだと紙のように硬く、従来の布とは違う垂れ方をします。Bendiness を0.1〜0.5の間で上げると柔らかくなり、試した1・10・100ではほぼ同じ形でした。

Blender 5.2 LTS で、ジオメトリノードを土台にした新しい物理(髪と布)が「実験的」として入りました。これまでの Cloth モディファイアと比べて速いのか、同じように垂れるのか。同じ検証機の 5.2.1 と 3.6.11 で、同じ布を同じ球に落として測りました。

目次

新しい布の正体:同梱のアセット「Cloth Dynamics」

5.2 のリリースノートによると、新しい布は Cloth Dynamics というモディファイア兼ノードグループで、どのメッシュにも足すだけで布のように動きます。ピン留め・伸び・曲がりの調整・破れにも対応しています。中では 5.2 で入った XPBD Solver ノードが計算しています。公式は「広く試されるまで設計を固められないので実験的。次の版で壊さないよう努めるが、確約はできない」としています。

本体は Blender に同梱の geometry_nodes_dynamics_assets.blend に入っていて、アセットとして入っているのは Cloth Dynamics (Experimental)・Hair Dynamics・Collider・Custom Force・Custom Effector・Set Effector の6つでした(当サイトでファイルを読んで確認)。ぶつかる相手には Collider を足し、その相手を入れたコレクションを布の「Effectors Collection」に渡します。

測り方:同じ布を同じ球に落とす

項目 内容
布 2m四方・1,764頂点。高さ2mから落とす
球 半径0.6m(床なし)
新しい布 Cloth Dynamics(既定のまま)+球に Collider
従来の布 Cloth モディファイア(既定・品質5)+球に Collision
計算 72フレーム(3秒ぶん)を順に進めた時間。CPU 8スレッド・画面なし。各3回

検証機は Core i7-11700F。2026年9月24日測定。めり込みは、全72フレームで球の中に入った頂点の数を数えました(面どうしの交差までは見ていません)。形は最後のフレームの全頂点の座標で比べました。

結果:新しい布は約2.7倍速い

条件 72フレームの計算時間 球へのめり込み
5.2 新しい布(既定) 0.88秒 0頂点
5.2 従来の Cloth 2.37秒 0頂点
3.6 従来の Cloth 3.09秒 0頂点

3回の差は最大0.02秒。

新しい布は、同じ 5.2 の従来の Cloth より約2.7倍速く終わりました。従来の Cloth どうしでは、5.2 が 3.6 より約23%速く、最後のフレームの全1,764頂点の座標が一致しました(小数点以下5桁まで)。同じ手順で作った場面なら、従来の Cloth は 5.2 でも 3.6 と同じ形に落ちたということです(3.6 で保存したファイルを 5.2 で開いて確かめたわけではありません)。

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既定は紙のように硬い:Bendinessで性質が変わる

布を球に落とした結果。左は従来のCloth、中は新しい布の既定、右は新しい布でBendiness 1
左:従来の Cloth(5.2)/中:新しい布・既定(Bendiness 0)/右:新しい布・Bendiness 1(いずれも72フレーム目を真横から)

速さだけでは比べられません。見た目がはっきり違いました。従来の Cloth は球に沿って垂れ、細かいしわが寄ります。新しい布の既定は、紙のように硬く、大きな折り目が数本入るだけでした。Bendiness(大きいほどよく曲がる)の既定が0だからです。

Bendiness 形(最後のフレーム) 計算時間
0(既定)・0.01 紙のように硬い(2つは同じ形) 0.87〜0.89秒
0.1 わずかに垂れる 0.87秒
0.2・0.3 大きく垂れる 0.87〜0.90秒
0.5 球に張り付いて包み込み、裾が球の下へ回り込む 0.88秒
1・10・100 0.5 とほぼ同じ(0.5 との差は平均 約2mm)。3つどうしは最大0.7mm以下の差 0.88〜0.89秒

計算時間は Bendiness によらずほぼ同じでした。形が大きく変わるのは0.1〜0.5の狭い範囲で、試した1・10・100ではほとんど変わりませんでした(その間の値や、実装での扱いは確かめていません)。従来の Cloth と同じ布を作る規準が無いので、「同じ材質どうしで何倍速いか」は言えません。言えるのは、同じ場面を既定のまま回したときの速さと、性質の違いまでです。

Pythonで組むときの注意:入力の書き方が変わった

今回はスクリプトで組みましたが、5.2 ではジオメトリノードのモディファイアの入力に modifier["Socket_7"] = … で値を入れようとするとエラーになりました。5.2 の Python API のリリースノートにあるとおり、modifier.properties.inputs.Socket_7.value = … と書きます。4.x までのスクリプトを 5.2 で使うときは書き換えが要ります。

まとめ

5.2 の新しい布は、今回の場面では従来の約2.7倍速く、めり込みもありませんでした。一方で既定の性質が違い、従来の Cloth の代わりにそのまま置き換えられるものではありません。実験的な機能なので、次の版で変わる可能性もあります。自己衝突や頂点を増やした場合、髪(Hair Dynamics)は測っていません。

3.6 から 5.2 へ移るかどうかは3.6・4.2 が旧 LTS に入った話、ファイルの互換は3.6 と 5.2 のファイル互換を試した記事、マテリアルの見た目の違いはPrincipled BSDF を 3.6 と 5.2 で比べた記事、基本の操作はBlender の完全入門にまとめています。

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よくある質問

Blender 5.2 の新しい布はどこにありますか?
Blender に同梱のアセット(geometry_nodes_dynamics_assets.blend)の「Cloth Dynamics (Experimental)」です。公式によると、モディファイアとしてメッシュに足すだけで布のように動きます。ぶつかる相手には「Collider」を足します。
従来の Cloth より速いですか?
当サイトの検証(1,764頂点の布を球に落とす・72フレーム)では、既定のままで約2.7倍速く終わりました(0.88秒 対 2.37秒)。ただし既定の性質が違うので、同じ材質どうしの比較ではありません。
新しい布が硬く、うまく垂れません
既定の Bendiness が0のためです。当サイトの検証では0.1〜0.5の間で柔らかくなり、試した1・10・100ではほぼ同じ形でした。
3.6 で作った布のシーンは 5.2 でも同じように動きますか?
従来の Cloth モディファイアは 5.2 にも残っていて、当サイトの検証では、同じ手順で作った場面の最後の形が 3.6 と 5.2 で全頂点一致しました。計算は 5.2 のほうが約23%速く終わりました(3.6 で保存したファイルを 5.2 で開いて確かめたわけではありません)。
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この記事を書いた人

ITインフラエンジニア歴12年、クラウド(AWSがメイン、一部Azure)の実務は4年目(いずれも2026年時点)。社会人向けの3DCGスクールを2026年9月に卒業。Windows 11 + RTX 4070 Ti SUPER の自宅環境で実際に手を動かしながら、インフラ・クラウド・AI・3DCGの技術記事を書いています。

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