Substance Painterのパスは、それ自体が1つのツールではない。ペイント・消去・ぼかしといった既存のツールを、引いた線に沿わせるための土台だ。だから「パスツールで何ができるか」は「どのツールをパスに適用できるか」と同じ意味になる。
実機の Substance 3D Painter 12.1.3 に同梱された文字列リソース(translation_ja.qm)を直接読み出し、パス関連のUI項目を英日対で洗い出した。この記事の日本語ラベルは、アプリが日本語UIで読み込む公式リソースに入っている表記をそのまま引いたものだ。
パスに適用できるツールは何種類ある?
8種類ある。3つの基本ツールがそれぞれ3D用と2D用に分かれ、それにパス固有の2つが加わる形だ。
| 英語UI | 日本語UI(公式表記) | 内容 |
|---|---|---|
| Paint along path | パスに沿ってペイント | 3Dビュー上でパスに沿って塗る |
| Paint along path (2D) | パスに沿ってペイント (2D) | UV空間側で塗る |
| Erase along path | パスに沿って消去 | パスに沿って消す |
| Erase along path (2D) | パスに沿って消去 (2D) | 同・UV空間側 |
| Smudge along path | パスに沿ってぼかす | パスに沿ってにじませる |
| Smudge along path (2D) | パスに沿ってぼかす (2D) | 同・UV空間側 |
| Filled path | 塗りつぶされたパス | 閉じたパスの内側を塗る |
| Ribbon path | リボンパス | 画像をパスに沿って帯状に並べる |
⚠️ 途中でツールを切り替えると設定が飛ぶことがある。アプリはこの操作に「パスに適用されたツールを切り替えます。現在の設定が失われる可能性があります。」という確認を持っている。線を引き直す手間より、どのツールで使うかを先に決めるほうが早い。
パスは2Dビューでは作れない
パスの作成は3Dビューポート限定だ。アプリは「パスは 3D ビューポートでのみ作成可能」というメッセージを持っている。名前に (2D) と付くモードがあるので2Dビューでも引けそうに見えるが、(2D) が指すのは適用先であって作成場所ではない。
もう1つ、「アンカーポイントはペイント不可能です」というメッセージもある。アンカーポイントを参照しているレイヤーにパスで塗ろうとすると弾かれる。
頂点はどこまで編集できる?
引いたあとの調整項目は次のとおり。切り替えの項目名は「コーナー / スムーズのパス頂点を切り替え」で、パス単位ではなく頂点単位で定義されている。1本の中で直線の角と滑らかな曲線を混在させる設計だと読める。
| 英語UI | 日本語UI(公式表記) |
|---|---|
| Toggle corner/smooth path vertices | コーナー / スムーズのパス頂点を切り替え |
| Open/close path | パスを開く / 閉じる |
| Reverse path direction | パスの方向を反転 |
| Snap path vertices to mesh wireframe | パスの頂点をメッシュワイヤーフレームにスナップ |
| Path preview (“Rubber Band”) | パスのプレビュー(「ラバーバンド」) |
| Set path projection depth | パスの投影深度を設定 |
パスを閉じるときは終点の頂点を選ぶ、開くときは頂点を1つ、または隣接する2つを選ぶ——という条件がメッセージとして定義されている。うまく閉じないときは選んでいる頂点が終点でないことが多い。
ワイヤーフレームへのスナップには一時的に効かせる版(「パスの頂点を一時的にメッシュワイヤーフレームにスナップ」)もある。パネルラインのように既存のエッジをなぞりたいときは、常時オンより一時的なほうが扱いやすい。
スタンプの角度は何を基準にする?
ブラシスタンプの向きを決める基準(Vertex space/頂点スペース)に3つの選択肢がある。公式の説明はこうだ。
| 基準 | 公式の説明 |
|---|---|
| Screen space(画面スペース) | 角度は現在の画面ビューに基づく |
| Vertex space(頂点スペース) | 角度はパスの最後の頂点の向きに合わせられる |
| World space(ワールドスペース) | 角度は固定されたワールド軸に従う |
カメラを回すと模様の向きが変わってしまう場合は、Screen space のままになっている可能性が高い。
リボンパスの「比率」3種はどう違う?
画像を帯状に流し込むリボンパスには、画像をどう当てはめるかの Ratio(比率) が3つある。
| 英語UI | 日本語UI(公式表記) |
|---|---|
| Fit to path length | パスの長さに合わせる |
| Fit to path width | パスの幅に合わせる |
| Stretch along path | パスに沿って伸縮 |
🔎 「クリップされたタイルを削除」が効くのは1つの比率のときだけ。アプリのヘルプ文には「クリップされたタイルは、比率がパスの幅に合わせるに設定されている場合にのみ表示されます」とある。他の比率でこのオプションを探しても出てこないのは仕様だ。「2 枚目のタイルごとにミラー」と「縦横比係数」も同じパネルにある。
塗りつぶしパスが自分と重なったら?
閉じたパスがねじれて自分自身と重なると、重なった部分のアルファをどう合成するかが問題になる。ここは3択で、公式の説明は次のとおり。
- 標準(Normal):該当領域の最上位セグメントのアルファを使う
- 比較 (明) (最大)(Lighten (Max)):最大のアルファ値を使い、最も不透明な部分を保持する
- 覆い焼き (リニア) – 加算(Linear dodge (Add)):アルファ値を合成し、全体的により不透明になる
アルファのブレンドは他のすべてのチャンネルのブレンド強度にも影響すると明記されている。重なり部分だけ色が濃くなるときはここを見る。
🔎 実測した範囲:Substance 3D Painter 12.1.3 に同梱された翻訳リソース(.qm・UTF-16BE)をパースし、パス関連のUI項目とヘルプ文を英日対で抽出したところまでが実測値だ。ツールを実際に動かして描画結果を比較する検証はしていないので、各モードの「見え方」は文字列に書かれた定義に基づく説明になる。UI言語を日本語にしているかどうかで表記が変わるため、英語UIの読者は左列を見てほしい。
まとめ:先にツールを決めてから引く
- パスは土台で、適用できるツールは8種類。(2D) は適用先の話で、作成場所の話ではない
- パスの作成は3Dビューポート限定。アンカーポイントには塗れない
- 途中のツール切り替えは設定を失う可能性がある。先に決めてから引く
- コーナー/スムーズの切り替えで直線と曲線を1本に混在できる
- 「クリップされたタイルを削除」は「パスの幅に合わせる」でのみ出る

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