UE5に持っていくとテクスチャの色や質感が変わる原因は、ほぼORM/ARMテクスチャのsRGBチェックが入ったままです。BaseColorはsRGB ON、ORM・NormalはsRGB OFF——この使い分けができていないと、金属が白飛びし、ラフネスが効かなくなります。Painter側の書き出しではなくUE5側のインポート設定の問題であることが多いです。
Substance Painterのビューポートでは完璧だったのに、UE5に入れたら金属がギラギラして別物になる。Painter側を何度も調整しても直らない——それは直す場所が違うからです。この記事では、色が変わる仕組みから逆算して原因を切り分けます。
なぜsRGBの設定で見た目が変わるのか?
テクスチャには2種類あります。この区別が全てです。
| 種類 | 中身 | 例 | UE5のsRGB |
|---|---|---|---|
| カラーデータ | 人が見る「色」 | BaseColor | ON |
| 数値データ | 計算に使う「値」 | ORM/ARM・Normal・Height | OFF |
sRGBは人の目に合わせて色を補正する仕組みです。BaseColorのような「見せる色」には必要ですが、ラフネスやメタリックのような「計算に使う数値」に補正をかけると、値そのものが歪みます。
これが「金属が白飛びする」の正体
ORM/ARMテクスチャのsRGBがONだと、Metallicの値にガンマ補正がかかって本来より大きくなります。結果、金属が不自然にギラつき、白く飛びます。Painterでいくら調整しても直らないのはこのためです。
どこを直せばいい?
コンテンツブラウザから該当テクスチャを開き、テクスチャエディタを表示します。
詳細パネルの「sRGB」項目です。BaseColor以外の数値系マップは基本的にOFFにします。
この時点で、金属のギラつきやラフネスの効き方が正常になるはずです。
チャンネルの割り当ても確認する
ORMはR=Occlusion/G=Roughness/B=Metallicの順が一般的ですが、書き出し時のプリセットによって順序が変わることがあります。sRGBを直しても質感がおかしいなら、マテリアル側でどのチャンネルを何に繋いでいるか見直してください。
Normalマップにノイズや縞が出る場合は?
これはsRGBではなくビット深度の問題です。8bitでは階調が足りず、なだらかな面にバンディング(縞)が出ます。
対処は書き出し側で、NormalとHeightのBit Depthを「16 bits RGBA」に設定します。ファイルサイズは増えますが、滑らかな曲面を扱うモデルでは効果が明確です。
16bitとsRGBは同時に使わない
16bitの画像データはディスプレイ用のガンマ補正がかかっていない前提のデータです。ここにUE5側でsRGBを有効にすると、二重に処理する矛盾した状態になります。16bitで書き出したマップは必ずsRGB OFFで使ってください。
それでも色味が違って見える場合
sRGBとビット深度を直しても「なんとなく違う」と感じる場合、原因はテクスチャではなくレンダリング環境の差です。
- トーンマッピングの違い——Painterのビューポートとの表示は前提が異なります。完全一致は原理的に望めません。
- ライティングと露出——UE5の自動露出が効いていると、シーンの明るさに応じて見た目が変わります。比較検証するなら固定してください。
- ポストプロセス——色調整が乗っていると、テクスチャ単体の評価ができません。一時的に切って確認します。
この段階まで来たら、テクスチャ側をいじるのはやめてシーン側を疑うべきです。Maya側での色ズレ(ACES絡み)は別の原因なので、Maya ACES設定で暗くなる問題を参照してください。
書き出し設定そのものを見直すなら
そもそもどのマップをどの形式・解像度で出すべきか、というところから整理したい場合は書き出し設定・解像度完全ガイドにまとめています。この記事は「出したあとに色が変わった」症状に絞った内容です。
まとめ
UE5で色や質感が変わったら、順番に見るのはこの3つです。①ORM/NormalのsRGBがOFFか ②ORMのチャンネル割り当てが合っているか ③Normalが16bitで出ているか。
そして、この3つが正しいのに違和感が残るなら、それはテクスチャではなくライティングやポストプロセスの問題です。直す場所を間違えないことが、この手のトラブルでは一番の時短になります。

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