Substance と Maya の連携というと「Painter で塗って、テクスチャを書き出して、Maya で貼る」だと思われがちだ。だが Adobe Substance 3D for Maya を入れると、.sbsar をそのまま Maya に読み込み、パラメーターを Maya の中で触ったまま使える。焼いた画像ではなく、手続き的なマテリアルのまま持ち込むルートだ。
このプラグインは何をする?
.sbsar(Substance のパラメトリックなマテリアル)を Maya のシェーディングネットワークとして扱えるようにする。
Adobe の説明では、Substance の手続き型・物理ベースのマテリアルを Maya に直接持ち込み、公開されているパラメーターをリアルタイムで調整しながら、レンダリング用のテクスチャとシェーディングネットワークを Maya の中で生成できるとされている。Maya から出ずに済むのが要点だ。
Painter経由のワークフローと何が違う?
持ち込むものが「焼いた画像」か「まだ焼いていない仕組み」かが違う。
| Painterで書き出す | プラグインで .sbsar を読む | |
|---|---|---|
| 渡すもの | PNG等のテクスチャ画像 | 手続き型マテリアルそのもの |
| Maya側で変えられるもの | ほぼ無い(作り直し) | 公開パラメーターを調整できる |
| 解像度 | 書き出した時点で確定 | 読み込み後に生成し直せる |
| 向いているもの | キャラ・一点物の塗り | 床・壁・金属などの汎用素材 |
キャラクターを塗るなら Painter のほうが向いている。一方、コンクリートや木目のように「パラメーターを振って使い回す」素材は、画像に焼いてから渡すと調整のたびに往復が発生する。プラグイン側はその往復を消す。書き出し経由の手順は別記事にまとめてある(Maya×Substance Painterの連携で詰まる箇所)。
入っているかどうかを確認するには?
Maya はモジュール登録ファイル(.mod)でプラグインの場所を知る。まずそこを見て、そのうえで Maya 側でロード状態を確認する。
Maya は .mod ファイルでプラグインの場所を知る。検証機(Maya 2025)では、共有モジュールのフォルダに substance2.mod が置かれていた。同じ場所に bifrost.mod・lookdevx.mod・mayausd.mod・mtoa.mod(Arnold)が並んでいる。
+ PLATFORM:win64 substance2 3.0.3 C:\Program Files\Allegorithmic\Adobe Substance 3D for Maya\2025
PATH+:=lib
この1行にバージョン(3.0.3)と実体の場所が両方入っている。ファイルがあってメニューが出ないなら、次は Maya 側でロードされているかを見る。プラグイン本体の名前は substancemaya で、同梱のMELスクリプト自身が pluginInfo -q -loaded "substancemaya" でロード状態を確かめてから処理に進む作りになっていた。
同じ .mod には Linux 版の行もあり、そのパスは /opt/Allegorithmic/Substance_in_Maya/2025 と旧製品名のままだった。ネット上の解説が「Substance in Maya」と呼んでいるのは、この頃の名前だ。検索するときは両方の名前で当たるとよい。
どんな機能がある?
プラグインが持っているMELスクリプトを見ると、機能の輪郭がわかる。
| スクリプト名 | 読み取れる機能 |
|---|---|
| BatchImport | 複数の .sbsar をまとめて読み込む |
| BatchBake | 読み込んだものをまとめて画像に焼く |
| GraphWindow | Substance のグラフを Maya 内で開く |
| ReloadSbsar | 元ファイルを差し替えて読み直す |
| ResetPhysicalSize | 物理サイズを初期値へ戻す |
| SupportsWorkflow / ImageWorkflow | レンダラー別のワークフロー生成 |
ReloadSbsar があるのが実務では大きい。Substance Designer 側で素材を直したあと、Maya のシーンを組み直さずに読み直せる。BatchBake のほうは、スクリプト自身が「ディスクへのバッチベイクのUIコード」と書いており、ディレクトリを選んで選択中のグラフノードの出力を書き出す作りだった。表の内容は名前からの推測ではなく、スクリプトの記述による。
Arnoldで使うには?
プロパティエディタの WORKFLOWS から Arnold を選び、Create Network を押す。
Adobe のドキュメントの説明では、これで数秒待つとノード群がグラフに現れ、テクスチャビューアにマテリアルのプレビューが出る。シェーダーネットワークを手で組む必要がないのが利点だ。Arnold は Maya 2025 に mtoa.mod として同居しているので、追加導入は不要なことが多い。
試すだけなら同梱素材で足りる
プラグインには .sbsar が22個同梱されていた。素材を探すところから始めなくていい。
検証機の sbsars フォルダを数えると22ファイル。木の皮・レンガ・カーボン繊維・段ボール・コンクリート・デニム・革・研磨金属・寄木・アスファルト・雪・錆・スレートなど、質感の系統がひととおり揃っている。まずこれをシーンに当てて、パラメーターを振ったときの挙動を見るのが早い。
実機で確認した範囲:プラグインのバージョン 3.0.3(plug-ins/substance/build_info.py の BUILD_VERSION、および substance2.mod の記載)、対象 Maya が 2025(BUILD_MAYA_VERSION)、共有モジュールフォルダに substance2.mod が bifrost/lookdevx/mayausd/mtoa と並んでいること、.mod の Linux 行が旧製品名であること、同梱 sbsars が22ファイルあること、scripts 配下のMELスクリプト名。
MELスクリプトについては、SubstancePluginBatchBake.mel の中身を実際に読んで記述を確認した。
Maya を起動しての操作確認は行っていないので、メニューの位置・Create Network の実行結果・ベイクの出力・レンダリング結果はいずれも検証していない。機能の説明は Adobe 公式ドキュメントと同梱スクリプトの記述による。
よくある質問
Painterを持っていなくても使えますか
.sbsar で、Painter のプロジェクトファイルではありません。同梱素材や配布されている .sbsar があれば動きます。提供条件はプランによるため、公式ページで確認してください。プラグインのメニューが出てきません
.mod)でプラグインの場所を知ります。共有モジュールのフォルダに substance2.mod があるか、その中のパスが実体と一致しているかを確認してください。「Substance in Maya」という名前の情報が出てきます
最終的に画像に焼くこともできますか
SubstancePluginBatchBake.mel は、冒頭のコメントで「ディスクへのバッチベイクのUIコード」と自称し、選んだグラフノードの出力を指定ディレクトリへ書き出すと説明しています。当研究所は実行して確かめてはいませんが、そのための入口はプラグインに含まれています。まとめ:焼く前の状態で持ち込める
.sbsarを Maya に直接読み込み、パラメーターを Maya 内で調整できる- Painter 経由は焼いた画像、プラグイン経由は焼く前の仕組みを渡す
- 入っているかの確認は
substance2.mod。バージョンとパスが1行に入っている - Arnold は WORKFLOWS → Create Network でネットワークを自動生成
- 同梱
.sbsarが22個あるので、素材探しから始めなくていい
Maya と Substance のあいだで色が合わない問題は別系統なので、そちらは色管理の記事を参照してほしい(Maya に戻すと暗くなる問題)。

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