Photoshop の「ファイル > スクリプト」に並んでいるあれは、追加インストールしたものではない。最初から21本入っている。中身は .jsx のテキストファイルで、インストール先を開けば全部読める。そして読むと、いちばん使われる Image Processor が PNG を出せないことが分かる。
検証環境と方法:Windows 11 / Adobe Photoshop 2026(27.10・ビルド 20260824.r.26)。Presets\Scripts\ 配下の .jsx を直接読んで数えた結果を載せている。本数・対応形式・著作権年は実測値。測っていない範囲=スクリプトを実際に実行した結果、GUI 上の表示、他バージョン・他OSでの再現。
結論(Photoshop 2026 実測)
- 同梱スクリプトは 21本(
Presets\Scripts\*.jsx) - 🔴
Image Processorに定義された保存関数は JPEG / PSD / TIFF の3つだけ=コード上に PNG の出力経路が無い - PNG が要るなら
Export Layers To Files(8形式・PNG8とPNG24を含む) - 21本の著作権年は 2005〜2015。いちばん新しいものでも 2015 年
- 中身はただのテキストなので、開いて読める・複製して改造できる
どこに、何本入っている?
置き場所はインストールディレクトリ配下の Presets\Scripts\ だ。既定のパスはこうなる。
C:\Program Files\Adobe\Adobe Photoshop 2026\Presets\Scripts\
ここに .jsx が 21本ある。ファイル名がそのままメニューの項目名になる。21本すべてのタイムスタンプが同一(2026-04-03 19:20)で、後から個別に足された形跡は無い=インストール時に一括で置かれたものと判断できる。
| 系統 | スクリプト |
|---|---|
| 一括変換・書き出し | Image Processor / Export Layers To Files / Layer Comps To Files / ArtBoards To Files / Fit Image / Conditional Mode Change |
| PDF出力 | Layer Comps To PDF / ArtBoards To PDF |
| 複数画像の合成 | Load Files into Stack / Statistics / Merge To HDR / Photomerge / ContactSheetII |
| レイヤー整理 | Delete All Empty Layers / Flatten All Masks / Flatten All Layer Effects |
| その他 | Lens Correct / ExportColorLookupTables / Load DICOM / Script Events Manager / generate |
Image Processor が PNG を出せないのはなぜ?
一括変換といえばこれ、という定番だが、出力形式は3つしかない。スクリプト内に保存関数が3つしか定義されていないからだ。
function SaveAsJPEG
function SaveAsPSD
function SaveAsTIFF
ファイル全体を検索しても PNG は1回も出てこない(JPEG 161回・TIFF 160回・PSD 146回に対して PNG 0回)。ついでに WebP と AVIF は21本すべてを走査して0件だった=同梱スクリプトに新形式の書き出し経路は無い。
「0回」が検索の失敗でないことも確かめてある。 同じ検索を同じフォルダの他のスクリプトに当てると、Export Layers To Files で 136回、Layer Comps To Files で 86回、ContactSheetII で 23回、21本合計で 271回 ヒットする。検索は機能していて、Image Processor にだけ無いという結果だ。
使えるオプションは、品質(JPEG)、ICCプロファイルの埋め込み(既定オン)、sRGBへの変換(既定オフ)、TIFF の LZW 圧縮、PSD の互換性最大化——このあたりだ。Web用にPNGで大量書き出し、という用途にはそもそも向いていない。
では PNG はどれで出す?
Export Layers To Files が対応形式では最も広い。スクリプト内に定義されている保存オプションはこうなる。
| スクリプト | 出せる形式 |
|---|---|
Image Processor |
JPEG / PSD / TIFF(3つ) |
Export Layers To Files |
PNG8 / PNG24 / JPEG / PSD / TIFF / Targa / BMP / PDF(8つ) |
ContactSheetII |
PNG / JPEG / PSD / TIFF / Targa / BMP / PDF / GIF / EPS(9つ) |
形式名はどのスクリプトもコード中の固定文字列で書かれており、名前を動的に組み立てている箇所は無い(eval は使われているが、圧縮方式やビット深度といったオプションの値に対してだけだった)。だから文字列を数える方法で形式を洗い出せる。
ただし名前のとおり Export Layers To Files は1枚の画像のレイヤーを個別ファイルに書き出すもので、Image Processor のようにフォルダ内の複数ファイルをまとめて変換するものではない。用途が違うので、単純な置き換えにはならない。
フォルダ一括でPNGが欲しい場合は、アクションを組んで「バッチ」から回すか、外部ツールに任せるほうが早い。同じ「一括書き出し」でも、Substance 3D Painter は Python で書けるので、パイプラインの都合で寄せる先を決めるのも手だ。
スクリプトはいつのもの?
各ファイルの先頭には著作権表示が入っている。21本ぶん拾うとこうなった。
| 年 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2013 | 2015 | 記載なし |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 本数 | 1 | 3 | 6 | 3 | 2 | 1 | 2 | 3 |
いちばん新しいものでも 2015 年(ArtBoards To Files / ArtBoards To PDF)で、最も多いのは 2007 年の6本だ。2026年8月ビルドの製品に、10〜20年前の著作権表示を持つスクリプトが載っていることになる。⚠ 表示年が古いこととコードが当時のままであることは別で、過去版との差分は比較していない。
確実に言えるのは新しい形式に追随していないことだけだ(WebP・AVIF は21本すべてで0件)。⚠ 「枯れている」「2009年当時の設計が残っている」といった読みは当方の推測で、Adobe の意図もコードの変更履歴も確認していない。
読める・改造できる
.jsx はテキストファイルだ。UTF-8 か ASCII で、エディタでそのまま開ける。つまり「何をしているか」は読めば分かるし、複製して書き換えれば自分用の処理も作れる。
ただし Program Files 配下の原本は直接編集しない。 管理者権限が要るうえ、アップデートで上書きされる。別の場所へコピーしてから編集し、「ファイル > スクリプト > 参照」で読み込む。
よくある質問
スクリプトを改変しない限りありません。Photoshop 2026 同梱版の Image Processor.jsx には SaveAsJPEG / SaveAsPSD / SaveAsTIFF の3つしか保存関数が定義されておらず、ファイル全体に PNG の記述が1回も現れません。PNG が必要な場合は Export Layers To Files を使うか、アクション+バッチで処理してください。
Photoshop 2026 では Presets\Scripts\ に .jsx が 21本あります。ファイル名がそのまま「ファイル > スクリプト」メニューの項目名になります。追加インストールは不要で、初期状態から入っています。
.jsx はテキストファイルなので編集自体は可能です。ただし Program Files 配下の原本を直接触ると管理者権限が必要なうえ、アップデートで上書きされます。別の場所へコピーしてから編集し、「ファイル > スクリプト > 参照」で読み込む形にしてください。
ICC 関連のオプションを確認してください。スクリプト内では ICC プロファイルの埋め込みが既定オン、sRGB への変換が既定オフになっています。埋め込みを外すと、開いた側の解釈に委ねられて表示が変わることがあります。
著作権表示は 2005〜2015 年で、最も新しいものでも 2015 年です。長く変わっていない=枯れているとも読めますが、新しい画像形式には追随していません。WebP と AVIF は21本すべてを走査して記述が0件でした(同じ走査で PNG は271件ヒットするので、走査自体は機能しています)。
まとめ
Photoshop には 21本のスクリプトが最初から入っている。追加インストールも課金も要らず、中身はテキストなので読める。まずメニューを開いて、何があるかを見ておく価値はある。
ただし定番の Image Processor は JPEG / PSD / TIFF の3形式だけで、PNG は出せない。ここを知らずに「一括変換ならこれ」と選ぶと詰まる。PNG が要るなら Export Layers To Files、フォルダ一括ならアクション+バッチ、という切り分けになる。

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