FLUX.2をローカルで動かすなら、12GBならKlein 4B(ComfyUIの公式ドキュメントで約8.4GB)。devやKlein 9Bは16GBでもメインメモリへのオフロードが前提です。FLUX.1とはアーキテクチャが変わっており、テキストエンコーダが言語モデル(devはMistral系、kleinはQwen3)になったため、FLUX.1のワークフローをそのまま流用できません。ここが最初のつまずきどころです。
FLUX.1で組んだワークフローにFLUX.2のモデルを差し替えたら動かない——これはファイル配置やノード構成が変わっているためで、設定ミスではありません。この記事ではFLUX.1との違いを押さえたうえで、VRAM別にどれを選ぶかと導入手順を整理します。
FLUX.2はFLUX.1と何が違う?
2025年11月に公開された後継アーキテクチャです。単なるバージョンアップではなく、内部構成が入れ替わっています。
| 項目 | FLUX.1 | FLUX.2 |
|---|---|---|
| テキストエンコーダ | T5-XXL + CLIP-L(DualCLIPLoader) | dev:Mistral Small 3系(ComfyUIの配布ファイルはmistral_3_small_flux2)/klein:Qwen3(4BはQwen3 4B・9BはQwen3 8B) |
| VAE | FLUX.1 VAE | 独自VAE(FLUX.1と非互換) |
| 参照画像 | Kontext系で1枚 | 複数画像を参照可能 |
| ラインナップ | dev / schnell / pro | pro / flex / dev / klein |
FLUX.1のワークフローは流用できない
テキストエンコーダとVAEの両方が変わっているため、FLUX.1のワークフローでモデルだけ差し替えても動きません。DualCLIPLoaderでT5-XXLとCLIP-Lを読む構成はFLUX.1のものです。FLUX.2用のワークフローを新規に用意してください。
複数画像を参照できる点は実用上大きい変化です。FLUX.1系では参照は基本1枚でしたが、FLUX.2では複数の素材を同時に踏まえた生成ができます。
VRAM別にどれを選べばいい?
| VRAM | 選択肢 | 備考 |
|---|---|---|
| 12GB | Klein 4B | 軽量版。ComfyUIの公式ドキュメントで約8.4GB(蒸留版) |
| 16GB | Klein 4B(余裕あり)/dev(FP8・GGUF)とKlein 9Bはオフロード前提 | Klein 9Bの公式の目安は約29GB・devのテキストエンコーダはFP8でも18GB |
| 24GB以上 | dev(FP8・GGUF)・Klein 9B | 16GBより余裕を持って試せる(当サイトでは未測定) |
| それ未満 | クラウド or FLUX.1系を継続 | 無理に動かす価値は薄い |
devをローカルで動かす場合、素の状態では重いためFP8量子化またはGGUF量子化版を使うのが前提になります。devは本体が32B、テキストエンコーダもFP8で18GB(ComfyUIの配布)と大きく、16GBでは入りきらない分をメインメモリに逃がしながら動かすことになります(当サイトではdevを測っていません)。Klein 4Bは、当サイトのVRAM 16GBの検証機で1024×1024の生成が完走しました(VRAM 16GBでローカル画像生成モデル4本を比べた記事)。
量子化で何が変わるか
FP8やGGUFはモデルの重みを圧縮してVRAM使用量を下げる手法です。品質の低下はありますが、多くの用途では許容範囲に収まります。仕組みと画質差についてはFLUX量子化のVRAM比較にまとめてあります(FLUX.1での検証ですが、考え方はFLUX.2でも同じです)。
ComfyUIへの導入手順は?
FLUX.2は3種類のファイルを、それぞれ決まったフォルダに置く必要があります。ここを間違えるとノードのプルダウンにモデルが出てきません。
本体のモデルファイルを ComfyUI/models/diffusion_models/ に置きます。checkpointsではない点に注意してください。
テキストエンコーダを ComfyUI/models/text_encoders/ に置きます。devはMistral系(mistral_3_small_flux2)、Klein 4Bはqwen_3_4b、Klein 9Bはqwen_3_8b_fp8mixed(ComfyUIの公式ドキュメント)。FLUX.1で使っていたT5-XXLは流用できません。
FLUX.2専用のVAEを ComfyUI/models/vae/ に置きます。FLUX.1のVAEを使うと色が崩れます。
FLUX.2対応のノードが必要です。ComfyUI本体が古いと、モデルを正しく置いても読み込めません。更新後に再起動してください。
ノードが足りないと言われたら
公式のFLUX.2ワークフローを読み込んだ際に赤いノードが出る場合は、ComfyUI Managerの「Install Missing Custom Nodes」で解決できることがほとんどです。手順はComfyUI Managerの使い方にまとめました。
ライセンスと商用利用はどうなっている?
ラインナップごとに条件が異なります。devはオープンモデルですが、ライセンス条項は必ず自分で確認してください。FLUXシリーズは版によって商用利用の可否が分かれており、「オープンだから自由に使える」という理解は危険です。
仕事や販売に使う予定があるなら、モデルを選ぶ前に公式のライセンス文書を読むのが結果的にいちばん早い手順です。proやflexはAPI提供のため、利用規約が別途定められています。
そもそも自分のGPUで足りるか分からない場合は?
VRAMの見積もりを間違えると、モデルをダウンロードして数十GB消費した末に動かないという徒労になります。判断がつかないなら、クラウドで一度動かして体感を掴んでからGPUを選ぶほうが安全です。
ローカル環境の推奨スペック全般についてはFLUX・Wanを動かす推奨スペックと導入が土台になります。手早く試すなら環境構築の要らないクラウドGPUもありますが、FLUX.2に対応しているかは各サービスの対応モデルで確かめてください(下のConoHa AI Canvasの公式の対応モデルはStable Diffusion系)。
ローカルで腰を据えて運用するなら、VRAM 16GB以上を積んだ構成が結局は近道です。生成AI向けの構成についてはRTX 5070 Ti搭載のBTO構成にまとめてあります。
まとめ
FLUX.2はFLUX.1の延長ではなく、テキストエンコーダとVAEが入れ替わった別物です。ワークフローは新規に用意し、diffusion model・text encoder・VAEを正しいフォルダに置く——ここさえ押さえれば導入自体は難しくありません。
選ぶモデルはVRAMで決まります。12GBならKlein 4B。devやKlein 9Bは16GBでもオフロード前提です。それ未満なら、無理に動かすよりFLUX.1系を使い続けるかクラウドを併用するほうが実用的です。

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