【2026年版】Cloud Run vs AWS Lambdaのコスト比較|計算式と損益分岐点で選ぶ使い分け

Cloud Run vs AWS Lambda コスト比較のアイキャッチ
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イベント駆動・短時間処理ならAWS Lambda、コンテナ移行・長時間実行・高並行処理ならGCP Cloud Runが有利です。ただし使用率が5割を超える常時稼働なら、サーバーレスよりVM/VPSのほうが圧倒的に安くなります。この記事は料金計算式と損益分岐点で「どれが安いか」を数字で示します。

「Cloud RunとLambda、結局どっちが安いの?」——サーバーレスは課金単位が違うため、単価だけを並べても比較できません。本記事ではインフラエンジニアの視点で、料金計算式・無料枠・2025年8月のLambda課金変更・シナリオ別の実額まで、判断に必要な数字をすべて整理します。

目次

Cloud RunとLambdaは何が違う?

最大の違いはアーキテクチャと課金単位です。Lambdaは「関数ベース」でリクエスト数+GB秒(メモリ×実行時間)課金、Cloud Runは「コンテナベース」でリクエスト数+vCPU秒+GiB秒課金。長時間・高並行に強いのはCloud Runです。

項目 AWS Lambda GCP Cloud Run
アーキテクチャ 関数ベース コンテナベース
課金単位 リクエスト+GB秒 リクエスト+vCPU秒+GiB秒
最大実行時間 15分 60分
同時実行 1インスタンス=1リクエスト 1インスタンス最大1,000リクエスト
コールドスタート 100〜1,000ms 最適化時は2桁ms台〜
コンテナ 対応(最大10GB) ネイティブ対応

同時実行の設計思想が決定的に違います。Lambdaは1インスタンスが1リクエストしか処理しないため、同時1,000リクエストなら1,000インスタンスが立ち上がります。Cloud Runは1インスタンスで最大1,000リクエストを並行処理できるので、I/O待ちの多いWeb APIではインスタンス数=コストを大きく抑えられます。

料金はどう計算する?無料枠と単価を整理

どちらも「無料枠を超えた分」に課金されます。Lambdaは毎月100万リクエスト+40万GB秒、Cloud Runは毎月200万リクエスト+18万vCPU秒+36万GiB秒が無料。小規模なら無料枠内に収まることも珍しくありません。

AWS Lambdaの料金式

x86の標準単価は100万リクエストあたり$0.20、実行時間は$0.0000166667/GB秒です。512MB・200msの関数を100万回実行すると、実行時間料金は「0.5GB × 0.2秒 × 100万回 × $0.0000166667 ≒ $1.67」、リクエスト料金$0.20と合わせて約$1.87(無料枠を考慮する前)になります。

GCP Cloud Runの料金式

標準単価はvCPU秒$0.000024GiB秒$0.0000025100万リクエスト$0.40。リクエスト単価はLambdaの2倍ですが、1インスタンスで複数リクエストを並行処理できるため、トラフィックが高いほど実効単価は下がっていきます。

2025年8月のLambda課金変更に注意

2025年8月1日から、ZIP形式・マネージドランタイムの関数も初期化(INIT)フェーズが課金対象になりました。多くの関数では影響は軽微ですが、起動の重いJava/C#や初期化処理の重い関数では10〜50%のコスト増になる例もあります。InitDurationメトリクスで実測を確認しましょう。

実際いくらかかる?シナリオ別コスト試算

結論は「低頻度・バーストはLambda、安定した高トラフィックはCloud Run、常時フル稼働はVM/VPS」。代表的な3シナリオの月額目安を比較します(リージョンや構成で変動するため概算です)。

シナリオ Lambda Cloud Run 最安の選択
イベント駆動(低頻度・突発) 無料枠〜数百円 無料枠〜数百円 Lambda(ほぼ無料)
API(安定して高トラフィック) 約$50/月 約$45/月 Cloud Run
常時稼働(使用率50%超) コスト増大 コスト増大 VM/VPS

サーバーレスは「使った分だけ課金」が強みですが、裏を返せば使い続けるほど割高になります。1日中ほぼ稼働し続けるワークロードでは、固定料金のVMやVPSが損益分岐点を超えて安くなる——これが見落とされがちな罠です。

個人開発や小規模な常時稼働サービスなら、時間課金のクラウドVMより月額固定のVPSのほうが分かりやすく安上がりです。国内VPSなら初期費用0円で解約も自由なConoHaが試しやすく、コストの見通しも立てやすいでしょう。

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どっちを選ぶ?用途別の使い分け

迷ったら「処理時間」と「トラフィックの安定度」で選びます。短くて突発的ならLambda、長くて並行処理が多いならCloud Run、ずっと動かすならVM/VPSが基本方針です。

Lambdaが向くケース

S3トリガーやEventBridge連携などのイベント駆動、15分以内で終わる短時間処理、トラフィックが読めないバースト型。AWSサービスとの統合が圧倒的に豊富です。

Cloud Runが向くケース

既存コンテナの移行、最大60分の長時間処理、高並行のWeb API。Dockerイメージをそのままデプロイでき、ベンダーロックインも比較的緩やかです。

VM/VPSが向くケース

使用率が常時5割を超える常駐サービス、GPUや特殊要件、コストを固定で読みたい個人開発。従量課金が逆に割高になる領域です。ただしOS管理やスケールは自前になる点は割り切りが必要です。

コストを最小化する3つのコツ

同じ処理でも設定次第でコストは大きく変わります。特にメモリサイズの最適化は、両者とも最大30%前後の削減が狙える即効性の高い施策です。

1 メモリ(vCPU)サイズを実測で最適化する

Lambdaはメモリ割り当てでCPU性能も変わります。大きくすると実行時間が縮み、結果的に安くなることも。AWS Lambda Power Tuningなどで最適点を測定しましょう。

2 常駐インスタンスは必要な分だけにする

コールドスタート対策のProvisioned Concurrency(Lambda)/最小インスタンス数(Cloud Run)は便利ですが常時課金されます。Lambdaのコールドスタート完全対策のようにコード側で起動を軽くすれば、常駐に頼らず遅延を抑えられます。

3 Cloud Runはconcurrencyを上げる

1インスタンスあたりの同時リクエスト数(concurrency)を上げれば、必要インスタンス数が減りコストが下がります。I/O待ちの多いAPIほど効果的です。

まとめ:どちらを選ぶべきか

イベント駆動・短時間ならLambda、コンテナ移行・長時間・高並行ならCloud Run、常時フル稼働ならVM/VPS——これが数字で見たときの基本方針です。両者ともIaC(Terraform)で再現性高くデプロイできるので、まずは小さく作って実測コストを確認するのが失敗しない進め方です。Stateの扱いでつまずいたらTerraform State Lockエラーの安全な解除手順も参考にしてください。

料金体系やサービスの全体像が頭に入ると、コスト試算の精度は一気に上がります。AWS/GCPを基礎から押さえ直すなら、認定資格対策の講座が効率的です。

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よくある質問(FAQ)

Cloud RunとLambda、結局どちらが安いですか?
ワークロード次第です。低頻度・突発的ならLambdaがほぼ無料枠で収まり最安。安定した高トラフィックのWeb APIはCloud Runの並行処理が効いて安くなります。使用率が常時5割を超えるならVM/VPSが最安です。
無料枠だけでどこまで使えますか?
Lambdaは毎月100万リクエスト+40万GB秒、Cloud Runは毎月200万リクエスト+18万vCPU秒+36万GiB秒まで無料です。個人開発の小規模APIなら、無料枠内に収まることも多いです。
2025年8月のLambda料金変更で何が変わりましたか?
ZIP形式・マネージドランタイム関数の初期化(INIT)フェーズが課金対象になりました。大半の関数は影響軽微ですが、起動の重いJava/C#では10〜50%のコスト増になる場合があります。
コールドスタートはどちらが速いですか?
最適化時はCloud Runのほうが速い傾向です。Lambdaは100〜1,000ms程度、Cloud Runは構成次第で2桁ms台まで短縮できます。どちらも常駐インスタンス設定でコールドスタート自体を排除できます。
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