Terraform管理をチームで運用するためのベストプラクティス【実践例あり】

Terraform管理をチームで運用するためのベストプラクティス【実践例あり】

Terraform管理をチームで運用するためのベストプラクティス【実践例あり】

クラウドエンジニアとして IaC(Infrastructure as Code)を導入する際、最初に壁となるのが「Terraformをどうチームで運用するか」です。個人で触る分には問題なくても、複数のエンジニアが同じコードベースで作業し始めると、すぐに問題が発生します。

最も怖いのが、「Stateファイルの競合」です。

この記事では、僕自身の実務経験に基づき、Terraformをチームで安全かつ効率的に運用するために必須となる3つのベストプラクティスを、実践例を交えて解説します。

🧭 はじめに:Terraform運用は「チームのルール作り」が9割

クラウドエンジニアとして IaC(Infrastructure as Code)を導入する際、最初に壁となるのが「Terraformをどうチームで運用するか」です。個人で触る分には問題なくても、複数のエンジニアが同じコードベースで作業し始めると、すぐに問題が発生します。

最も怖いのが、「Stateファイルの競合」です。

💬 よくある問題

  • Aさんがインフラを変更中に、Bさんが別のインフラを変更しようとする。
  • 結果、お互いの変更が上書きされ、インフラが予期せぬ状態に(作画崩壊)。

この記事では、僕自身の実務経験に基づき、Terraformをチームで安全かつ効率的に運用するために必須となる3つのベストプラクティスを、実践例を交えて解説します。

🎨 本論:チーム運用に必須な3つのベストプラクティス

1 リモートStateの徹底とLock機能の活用(競合回避)

Terraformの肝である Stateファイル(現在のインフラの状態を記録したファイル)を、ローカルPCではなくリモートで安全に管理することが、チーム運用の絶対条件です。

実装方法

  • ベストプラクティス: AWS S3GCP Cloud Storage などのオブジェクトストレージにStateファイルを保存する。

📘 なぜ必要か

  1. 共有: チーム全員が最新のインフラ状態を把握できる。
  2. ロック: S3のDynamoDBロックなどの機能を使うことで、誰かが terraform apply を実行している間、他の人の実行をブロックできます(排他制御)。

⚠️ 筆者経験

チームでリモートState導入前に、GitHubにStateファイルをコミットしていた時期があります。誰かがコミットし忘れると、「俺のローカルでは動くのに!」という地獄のようなエラーが頻発しました。正直かなり焦りましたが、リモートStateこそがチームIaC運用の生命線だと痛感しました。

2 環境ごとのワークスペース・ディレクトリ分割(分離原則)

開発(Dev)、ステージング(Staging)、本番(Prod)といった環境(Environment)をどう分けるか、という問題はIaC運用で必ず発生します。

選択肢の比較

  • 選択肢A:terraform workspace を使う
    • メリット:コードベースは一つで済む。
    • デメリット:Stateファイルも一つになるため、設定ミスが全環境に影響を及ぼすリスクが高まる。
  • 選択肢B:ディレクトリを完全に分割する(ベストプラクティス)
    • 構成例: envs/dev/main.tf, envs/stg/main.tf, envs/prd/main.tf
    • メリット:環境ごとにStateファイルが完全に分離するため、本番環境への影響リスクを最小限に抑えられる。

💡 鉄則

Prod環境のStateファイルは、Dev/Stg環境から完全に物理的に分離しましょう。

3 モジュール化とモジュールレジストリの活用(共通化と統一)

チームで複数のプロジェクトを管理し始めると、VPCやRDSの設定など、「共通して使う部品」が増えてきます。

モジュール化のメリット

  • モジュール化の役割: 共通部品(VPCやRDS)をTerraform Moduleとして切り出し、再利用可能なパッケージにします。
  • ベストプラクティス: GitHubTerraform Cloud/Registryにモジュールを保存し、チーム全体で「このバージョンのVPCモジュールを使う」というルールを徹底します。
  • 効果: チーム全体のコードの品質が均一化し、新人でも短時間で安全なインフラを構築できるようになります。

⚠️ 注意点・失敗談:デプロイフローのルール化

チーム運用において、「誰が、いつ、どこに適用するのか」というデプロイフローのルールが曖昧だと、必ず事故が起きます。

⚠️ 失敗談

「ちょっとしたDB設定の変更だから」と、本番環境へのapply権限を持つエンジニアが口頭で承認を取っただけで変更を実行。後からGitの履歴を見ても、誰が承認したのか、なぜ変更したのかが不明となり、監査時に大問題になりました。

学びの整理

✅ 推奨する運用ルール

  • git flow の徹底: 開発ブランチからFeatureブランチを切るように、インフラ変更も必ずブランチを切る。
  • PR(Pull Request)必須: terraform plan の結果をPRのコメントに貼り付け、2名以上のレビューを必須とする。
  • CD(継続的デリバリー)の導入: GitHub ActionsやGitLab CIを使って、applyは人間ではなくCI/CDパイプラインに任せる。

📚 まとめ:IaCの成功は「人」にかかっている

Terraformは強力なツールですが、その真価は、チームで運用するためのルールと仕組みによって初めて発揮されます。

3つのベストプラクティス

  1. リモートState: Stateファイルをリモート(S3など)に置き、Lock機能で競合を回避
  2. 分離原則: 環境ごとのディレクトリ分割で、本番環境への影響リスクを分離
  3. モジュール化: 共通部品を切り出し、コードの品質と再利用性を担保

これらのベストプラクティスを導入し、「インフラ変更はコードで、レビュー必須、CI/CD経由」というルールを徹底することで、あなたのチームは安全でアジリティの高い IaC 運用を実現できるはずです。

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